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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
結婚願望も封印? “スターダムのアイコン”岩谷麻優がガチで狙うIWGP女子王座「KAIRIは一番負けたくない相手」《特別グラビア》
posted2022/11/17 11:04
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
11月20日、有明アリーナで行われる新日本プロレスとスターダムの合同興行のメインイベントで、初代IWGP女子王者が決まる。
新王座まであと1勝に迫った岩谷麻優は、トーナメント決勝戦でKAIRIと対戦することになったが、10月23日のKAIRIとのリング上での顔合わせでは、ベルトに触ることを躊躇した。
「新人の頃に、『ベルトを取る前に巻いたり持ったりしたらベルトから遠ざかっちゃうよ』と聞いたことがあって……。できれば決勝で勝って、正真正銘のチャンピオンになってから触りたかった。ただ、あの会場の空気で持たざるを得なかったです(笑)」
そんな小さなジンクスが気になるほど、岩谷は「IWGP」という名のついたベルトを求めている。
「以前の自分だったらプレッシャーを感じてトーナメントすらも出たくない。『自分でいいのかなぁ』と思ったでしょうね。でも、今の岩谷麻優は“スターダムのアイコン”としての自負も覚悟もある。自信をもってこのベルトを取りにいこうと思いました。自分こそが初代王者にふさわしい、と。『このベルトを作る意味があるのか』といった否定的な意見もまだありますし、選手も手探りの状態ですけど、たぶん、初代だから当たり前なのかな。IWGPの名前には歴史がある。このベルトをスターダムのベルトとして成長させていきたい。それをファンには見届けてほしいな」
自分がこのベルトをIWGPの名に恥じないものに育てていく。岩谷は、そう言い切れるだけのキャリアを積み重ねてきた。
「ファンには期待はしてほしい。IWGPの未来も。ちゃんと意味があってスターダムにできたベルトなんだ、ということを見せていきたい」
「そんな簡単に行っちゃうんだ」“3人娘”KAIRIへの思い
初代王者を争うKAIRIとは、因縁浅からぬ関係だ。
「KAIRIは、私にとっては“天然ちゃん”の宝城カイリ。(紫雷イオを含めた)3人娘のときはずっと一緒にいました。まだスターダムの人数が少ない時代に、移動して、リング設営をして……。そこから1日2試合やったあとに、またリングを撤収するんです」
2017年、そのカイリが突然いなくなる。「カイリ・セイン」としてWWEと契約を交わし、アメリカに戦場を移したのだ。
「えっ、海外? と思った。そんな簡単に行っちゃうんだ、って……」
当時「しっかりとお見送りはした」そうだが、岩谷の中には複雑な思いがあった。それからは、互いに別の道を歩んできた。