フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
24歳のベテラン・宇野昌磨がたどり着いた「境地」とは? 圧巻演技の後に明かした“アスリートの道”「先に表現を…は自己満足なので」
posted2022/11/17 17:01
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
11月18日から札幌でGPシリーズNHK杯が開催される。すでに4大会が終了し、NHK杯は全6大会中の5戦目。12月のトリノGPファイナルへの切符をかけて、いよいよ大詰めを迎える。
予想される男子の熾烈な戦い
NHK杯では、最も熾烈な戦いが予想されるのは男子だ。このGPシリーズはこれまでどの大会も可能な限り出場選手のレベルに大きな偏りがないようアレンジされてきたが、今シーズンはイレギュラーな要素が揃った。
昨年までのトップ選手の多くが抜けたことに加え、ロシア代表選手の不参加などの事情もあって、表彰台に新たな顔ぶれが続々と登場。終了した4大会のうち、3大会で男子の新チャンピオンが誕生している。
そんな状況の中で、NHK杯の男子は12人中6人が、すでに今季のGPメダルを手にした選手という異常事態となった。
スケートカナダ優勝の宇野昌磨、フランス大会でサプライズ優勝を果たしたアダム・シャオイムファ、2位だった山本草太。さらに韓国のチャ・ジュンファン、イタリアのマッテオ・リッツォ、友野一希の3人はそれぞれ1戦目で3位に入っている。この6名が、GPファイナル進出をかけて戦うことになる。
頭一つ抜き出ているのは宇野昌磨
その中で、やはり実力、経験ともに頭一つ抜き出ているのは24歳のベテラン、宇野昌磨だ。カナダでは細かいジャンプミスもあったが、総合力という意味において圧巻の演技だった。彼が実力を発揮すれば、現実的に言って他の選手は2位、3位を争う戦いになるだろう。
先シーズンの世界選手権ではついに表彰台の真ん中に立った宇野にとって、今シーズンは追われる立場で若手たちの挑戦を受けることになる。