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「このまま4位でいいの?」初のGP優勝、三原舞依を奮い立たせた言葉「今日の金メダルは、今まででいちばんうれしい」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2022/11/15 17:02
11月13日、グランプリシリーズのイギリス大会で優勝した三原舞依。シニアGPシリーズ挑戦6年目にして初のGPシリーズ制覇となった
悲しいときは空を見上げたり、落ち着く空間を心がけたり…
だが、三原は立ち止まらなかった。年明けの1月4日、氷上に三原はいた。「名古屋フィギュアスケートフェスティバル」への出演だ。全日本選手権からわずか1週間ほど後のことだった。
「悲しいときは空を見上げたり、落ち着く空間を心がけたり、いろいろな人とお話したり。2021年が終わる頃には1年でうれしかったことを考えました」
シーズンを振り返れば、それはたくさんあった。スケートカナダへの出場、イタリア大会で(当時の)自己ベストを更新したこと……。
「12月31日から1月1日にかわるとき自分の中で区切りをつけられたというか、ここから2022年が始まると思うのと同時に新たな一歩を踏み出さないといけないと思いました」
体調不良で1シーズン欠場から徐々に階段を上るように復活
近年を振り返ると、2019-2020シーズンは体調不良で1シーズン欠場し、2020-2021シーズンに復帰。そこから少しずつ階段を上がってきた。2021年にはスケートカナダに出場し、イタリア大会で自己ベストも更新。こういった過程を思えば、オリンピックの代表を争う位置にまで戻してきたこと自体、客観的には大きな評価を得るに値した。
今年1月下旬には四大陸選手権に出場、ショート、フリー、合計ともに自己ベストをマークして優勝したのも、三原の真骨頂であった。
2021-2022シーズンを終えたあと、新たなシーズンへ向けての思いをこう語っていた。