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松坂大輔「火を噴くボールの感触」(連載14)

posted2022/11/16 07:01

 
松坂大輔「火を噴くボールの感触」(連載14)<Number Web> photograph by JIJI PRESS

センバツ優勝時の集合写真(松坂は前列左)。このあとすぐに夏の頂を目指す戦いが始まった

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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JIJI PRESS

センバツ制覇後の目標はもちろん春夏連覇。しかし、選手たちはどうしても優勝の余韻を引きずってしまう。そんな中、松坂は関東大会で信じられない投球を披露する。

 秋に新チームとなって以来、神奈川はもちろん、関東大会、明治神宮大会、春のセンバツと立て続けに優勝を果たした横浜高校。日本中の強豪校が「打倒・横浜」を掲げて向かってくる。しかし最後の夏を迎える松坂大輔は、怪物と呼ばれるに相応しい、さらなる進化を遂げようとしていた。

◆◆◆

 センバツで勝ってからは、追われる立場だということを意識して練習するよう、毎日のように(渡辺元智)監督から言われていました。でも、それはチャンピオンらしく振る舞うとか、そういうことではなかったと思います。むしろ、いかにチャレンジャーだと思えるか……「春は頂点に立ったけど、夏の頂点に立つためには一度、その山を下りなければならない。夏の山頂は春の山頂からは目指せないんだから、まず山の麓までしっかり下りて、また登る。そのためにはチャレンジャーでなければならないんだぞ」と、厳しく言われました。だから、追われるどころか、他の学校と同じように夏の優勝を目指す意識を持て、それができて初めて春夏連覇が見えてくるんだという話を、何度も聞かされました。

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