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近江・山田陽翔「まさかの5位指名」はナゼ? 西武編成が明かす“急転直下の舞台裏“…「あの試合を見るまでは“打者評価“でした」 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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posted2022/11/14 11:01

近江・山田陽翔「まさかの5位指名」はナゼ? 西武編成が明かす“急転直下の舞台裏“…「あの試合を見るまでは“打者評価“でした」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

西武から5位指名された近江高校の山田陽翔

 冒頭の指名挨拶から遡ること2週間前に行われたドラフト会議で、山田は西武から5位で指名を受けた。直後の会見で「すごく長く感じた」と本人が語るように、会議スタートから1時間半以上が過ぎたタイミングでの呼名だった。

 近江を甲子園で3季連続ベスト4以上に導くという、獅子奮迅の働きを見たファンからは「山田の下位指名は予想外」という声も上がった。なぜ西武が山田の指名に至ったのか。そしてなぜ「5位」だったのか。潮崎がその舞台裏を明かす。

甲子園のスターが5位まで残っていた理由は?

「うちは今年、まずは『打てる野手』の補強が大きなポイントでした。1、2位で蛭間拓哉(早稲田大)、古川雄大(佐伯鶴城高)の両外野手、3位で捕手の野田海人(九州国際大付高)と、理想的な形で進められた。その段階で4、5巡目はピッチャーでいこうと」

 その言葉通り、4巡目で青山美夏人(みなと/亜細亜大)を指名した。最速151㎞を誇り、即戦力として期待がかかる右腕だ。つづく5巡目指名選手を誰にするか――。西武編成がにわかに活気づいた。

「あれ、残ってる……。山田が残ってるよ!」

 潮崎自身、山田がその時点で指名されていないことに「びっくりした」と言う。

「よく残っていましたよね。上位で呼ばれる選手だと思っていたので、ラッキーでした。4位の青山とは違うタイプで、ポテンシャルを秘めた高校生。山田を指名できた瞬間、これはいいドラフトになったと確信しましたね」

 下馬評では、山田の上位指名を予想する声も少なくなかった。5位の理由について「他球団のことはわかりませんが……」と前置きした上で、潮崎は次のように続けた。

「まず前提として、甲子園での活躍、成績は指名そのものに影響しません。あくまでイチ選手として評価する。その上で“スケール感”というのはあったのかもしれません」

 たしかに身長173cmの山田は、プロ野球選手として身体に恵まれているとは言えない。中学時点で最速140kmを超えていたことからも、投手としてすでに完成しているようにも見える。それでも潮崎は「伸びしろは十分にある」と断言する。

【次ページ】 野手から投手へ。評価が一変したあの試合とは

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