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“りくりゅう”が見せた「くしゃくしゃの笑顔とハグ」の舞台裏…怪我からの復活、三浦璃来&木原龍一を支えたコーチからの言葉「常に強くあれ」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2022/11/05 11:02
スケートカナダ初優勝を果たした“りくりゅう”こと三浦璃来と木原龍一
支えたコーチからの言葉「常に強くあれ」
怪我は身体的な影響だけでなく、心理的なダメージも大きかったのではないだろうか。
「三浦さんが左肩を怪我してしまったので、最初リフトの練習を再開するときに僕もどれくらいの力を入れて良いのか、その引っ張っていいのかっていうのがわからなくて、僕自身も恐怖心を感じていたんですけれども……コーチと三浦さんの方から、そんなに心配しなくてもいい、痛かったら言うから、と言ってもらえて。スケートカナダの1週間前ぐらいだったんですけど、急激に調子が戻ってきたかな……」
この大会に間に合わないかも、と思った瞬間はなかったのだろうか。
「カナダに戻ってきた最初の2週間ほどは、本当にタイミングが合わなくて龍一君も私も先生も不安だったんですけど、信じて心を強くもって練習してきたので、良くない日もあったんですけど、頑張ってポジティブに切り替えてやってきたので、最後の2週間くらいは自信を持って挑めるようになりました」
三浦はそう説明した。
普段は練習を信じて本番に向かう。だが信じるほどの練習が積めなかった今回、何を心の支えにして滑ったのか。
「コーチの言葉で、途中きつくても常に強くあれ、って。常にコーチがふるいたたせる言葉を言ってくれて、コーチの言葉は本当に大きい。でも観客の皆さんの声も、今回本当に大きかったなと思います」そう木原が言うと、「同じです」と三浦も頷いた。
二人の現在「並んでいると声をかけられる」
初戦を無事に終えて、ファイナル進出がかかる2戦目は3週間後に札幌で開催されるNHK杯だ。普段はカナダにいるので、自分たちが注目されている実感がないと言った二人だが、この夏は日本に行って変化を感じたという。
「私個人ではないんですけれど、やっぱり二人でいる時に、話しかけられることは増えました。個人だとそんなないんですけれど、やっぱり二人並んでいると身長差があるので多分目立つのかわからないんですけれど、声をかけていただけるようなので、そういったところを感じました」
NHK杯での目標は、パフォーマンスを楽しむだけでなく着実にレベルを獲得することだという。二人は日本の観客の盛大な声援を受けて滑ることになる。きっと今回以上のレベルの演技を見せてくれるに違いない。
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