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女子フィギュア界の新星・渡辺倫果20歳とは何者か? 趣味はダイオウグソクムシ、コーチが明かす強さの秘密「苦労をしてきている子なので」 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2022/11/02 17:00

女子フィギュア界の新星・渡辺倫果20歳とは何者か? 趣味はダイオウグソクムシ、コーチが明かす強さの秘密「苦労をしてきている子なので」<Number Web> photograph by Getty Images

スケートカナダ初出場で優勝を果たした新星・渡辺倫果(20歳)

3アクセルに挑んだきっかけは?

 カナダではホームステイして3年近く過ごしたが、パンデミックで施設が閉鎖されて2020年に帰国。木下スケートアカデミーで濱田美栄コーチの指導を受けた後、船橋のリンクで中庭コーチに指導を受けることになった。

「関コーチはぼくの先輩であったこともあり、気持ちよく預けていただいたんです」と中庭コーチ。だが彼のところに来た当初の渡辺は、少し表情が暗い印象だったという。

「今まで自分に自信がなかったんですけれど、中庭先生は私以上に私のことを信じてくださるので、今の私があると思います」と渡辺。

 その彼女が3アクセルの練習を始めたきっかけは、同じく中庭コーチが指導するジュニア選手、14歳の中井亜美が3アクセルの練習をしていたことだった。

「彼女が、自分も子供の頃に一度降りたことがあるというので、最初は遊びの延長のようにして一緒に練習をはじめたんです」と中庭コーチ。

「NHK杯ではもっともっと上を目指して」

 中井は今季のジュニアGP2試合で、ファイナル進出をきめた。カナダで優勝を射止めた渡辺にも、ファイナルのチャンスは少なからずある。彼女のGP第2戦目は、NHK杯になる。こうして一躍注目を浴びることになり、プレッシャーはあるのだろうか。

「こうやって初めてのグランプリシリーズで優勝することができて、本当に今はただただ嬉しいだけですし、NHK杯ではもっともっと上を目指して、自分のできる演技をまた最大限にできるよう、残り3週間頑張っていきたいなというふうに思っている。難しさというよりは楽しみな気持ちを優先させていくように、頑張っていきたいなというふうに思います」

 こういうポジティブな思考を支えてくれているのは、中庭コーチの存在だ。

「先生が信じてくださるのであれば、私はもっともっと上に行きたいと思いますし、もっともっと恩返しをできるように頑張っていきたいなというふうに思っています」

 20歳でシニアシーンのトップに躍り出た新星。趣味はフィギュアを集めることだという。それも水族館で一目ぼれした、ダイオウグソクムシのフィギュアを集めている。そのうち彼女の演技後にリンクがダイオウグソクムシのぬいぐるみで埋まる日が来るのだろうか?

「投げてもらったら、嬉しいです」と、型破りの新星は目を輝かせた。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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