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「真凜のことを応援している人はたくさんいるんだよ」1年前、孤独だった本田真凜を支えた存在とは?「とにかく自信をくださる先生で…」
posted2022/10/04 20:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
どこか悔しさを漂わせつつ、でも表情からは前を向いていることが伝わってきた。
本田真凜は、9月30日から10月2日にかけて開催された東京選手権に出場した。この大会は、12月の全日本選手権出場権をかけた予選の第一歩の意味を持つ。
久しぶりの試合だったので緊張していて…
ショートプログラムは昨シーズンも一時期使用していた『Assassin’s Tango』。フリーは新しいプログラム『ムーラン・ルージュ』を用意した。
本田にとっては今シーズンの初戦だ。しかも昨シーズンにあたる今年1月の日本学生氷上選手権以来の試合でもある。演技の前には、その空白を埋めようとする不安な様子も見て取れた。滑り終えた後、本田も語った。
「久しぶりの試合だったので緊張していて慎重だったかなと思うんですけど」
出だしのトリプルサルコウは着氷が乱れ、4分の1回転不足であることを示す「q」マークがついた。2つ目のトリプルフリップ-ダブルトウループ、最後のダブルアクセルにも「q」がついたが、着氷。7位で終える。
呼吸の仕方も、練習のときと違う…
迎えたフリーでは、冒頭のトリプルループーダブルトウループ-ダブルループを成功させる。ただ、その後のジャンプでは転倒や回転不足が見られ、フリーは9位。総合8位で、東日本選手権進出を決めた。
その演技を終えた直後、悔しそうでもあり、硬さを感じさせる表情を浮かべた。