濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
菅原美優22歳「アンチもいる中で成長してきた」話題の美容師兼業ファイターを支えた“先輩・武尊のアドバイス”《特別フォトインタビュー》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/27 17:00
美容師との兼業、写真集発売などでも話題を集める菅原美優
菅原のプライド「アンチもいる中で成長してきた」
ただ自分の道のりにもプライドがある。
「ずっと注目される中でやってきたので。負けていい試合、気を抜ける試合なんて一度もなかった。アンチにありがとうと言うつもりはないですけど、メディアに取り上げてもらったり、アンチもいたりという中で成長してきました」
空手がベースで得意なのは蹴り。だが近年はボクシングの練習などでパンチを強化してきた。その上で「一番成長してるのはメンタル」だと言う。
「前は自分に届く声すべてを受け止めようとしてましたね。今はそれが自分に必要な意見なのか、無視していいのか判断できるようになりました。最近は試合前も緊張しないし、試合中も落ち着いてます。うまくいかない展開になってもアワアワしなくなりました。図太くなりました(笑)」
パヤーフォン戦では手応えと課題が半々。以前のように負けて泣き崩れるようなことはなかった。フィジカルの差も感じなかったが「それは相手がアジアの選手だからかもしれない」と言う。
「アメリカとかヨーロッパの選手とやったらどうなのか。気になりますし、海外の強い選手とどんどん試合がしたいです。そのためにも今回の防衛戦は力を見せて勝たなきゃいけない」
チャン・リーとは2019年、デビュー3戦目で闘い判定勝利を収めている。その時と比べるとお互い別人。対戦時の映像を見て参考にすることはないそうだ。
「あの時は実力差もなかったと思います。だから今回はどっちが成長したかの勝負でもありますね。そこで負けるつもりはないですし」
菅原が美容師と格闘家の“兼業”を続ける理由
前回の対戦からの3年間で、菅原はチャンピオンになり、社会人にもなった。専門学校を卒業し、2020年から美容師として働いている。パヤーフォン戦で顔が腫れた時、そんな顔で美容師が務まるのかという批判(というより難癖)があった。菅原は、格闘家としての活動を認めてくれる職場なのでと堂々としていた。
働いている美容院は、菅原が格闘家として活躍し、同時に専門学校に通って美容師を目指していることを知ってSNSで声をかけてくれた。
「美容師の世界は体育会系なんです。誰かがミスをしたら同期が怒られるみたいな。でも、そういうイメージを変えたいということもあって私を誘ってくれたんですよ。いろんなタイプの美容師がいていい、いろんな働き方がありますよって」