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坂本花織は「素晴らしかった!カオリはちゃんと先を見ている」ブラウンが絶賛し、新世代レヴィットが憧れた世界女王の新たな挑戦 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byGetty Images

posted2022/10/27 11:03

坂本花織は「素晴らしかった!カオリはちゃんと先を見ている」ブラウンが絶賛し、新世代レヴィットが憧れた世界女王の新たな挑戦<Number Web> photograph by Getty Images

スケートアメリカにて優勝を果たした坂本花織。世界女王の貫禄を見せつけた

ブラウン「カオリは素晴らしかった」

 そのブラウンの振付師が坂本に与えたプログラムは、ノリの良い、身体全体を思い切りよく使って踊る作品だった。

「自分にとって上半身、背中とかを使うのはすごく苦手。直線的な動きはやったことあるけど、ウェイブをつけてやるのが苦手。腕と身体を連動させるのが苦手だけど、これにはすごく含まれているので……」

 坂本はそう難しさを表現する一方で、作品としては気に入っているという。

「今までにない自分が出せてるなという感じがするし、時間がかかると思うんですけど、これを成し遂げたらすごいかっこいい演技になるんだろうなと思いながら、毎日練習しています」

 USFSのインタビューアーとして会場に来ていたジェイソン・ブラウンは、坂本の演技後にこう感想を述べた。

「カオリは素晴らしかったですね! 滑り込んでいくうちに、シーズン後半はもっと良くなっていくでしょう。ロヒーンの振付は難易度が高く、休む暇がないんです。ぼくも完成させるのに1シーズンでは足りずに、2シーズン滑ったプログラムもあります。印象的だったのは、カオリ自身、完成させるのに時間が必要だという自覚を持っていること。ちょっと滑ってしっくりこないとすぐに変えてしまう選手もいるけれど、カオリはちゃんと先を見ていることに感心しました」

「スケートむっちゃ下手なんやと実感して…」

 一方フリーの振付は、カナダの元アイスダンサー、マリーフランス・デュブレイユに依頼した。現在もっとも多くのトップチームを抱えるアイスダンスコーチでもある。

「中野(園子)先生に、ネイサン(・チェン)の「ロケットマン」作った人なんだけれど、どう? と言われて、そんなすごい人、大丈夫かなと思った。でも女性の振付師さんは久しぶりだったので、挑戦してみようかなと思ってお願いしました」

 曲はシーアの「エラスティックハート」。ここでもまた新しい発見があった。

「ゆっくりスローな曲って、本当にそうとうスケートがうまくないと見せ方が変わって来るので、最初本当に苦戦して、自分スケートむっちゃ下手なんやと実感して……。でもアイスダンサーを教えている先生だからこそ、ジャンプ以外のところをすごく重点的に教えてくれたり、ステップに特に力をいれていた。そこを自分が上手く試合で表現してこそ点数につながってくるので、これからまだまだです」

人生初のショートカット「今しかない」

 新たな4年に向けて新しいことを試してみたのは、振付師だけではない。これまでポニーテールにしていた髪を思い切ってショートカットにした。きっかけは友人に「きっと似合う」と言われたことで、世界選手権から戻った次の日、朝一番にアポを入れて切ったという。一度は肩までの長さにしたが、顔にかかってしまうのでさらに短くまとめた。

「切ってみたいという気持ちもあったし、切るなら今しかないかとか色々ありました。人生初めてのショートカット。小さい頃からずっとロングだったので」

【次ページ】 レヴィットとのセルフィ―

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