「気になるのはタイミングの取り方と高めへの対応です。バットの位置が低く、重心も低く構えているので、海老根選手は甲子園でも落ちる変化球に対応していました。ただ、高校生の投手より球速も伸びもあるプロの直球を弾き返すのは簡単ではありません。近年は空振りを取るのに有効というデータもあるため、高めの直球が増えています。今の海老根選手を見ると、直球、特に高めに苦労すると感じます」

再び同じ舞台に立つチャンスは十分にある

　球団が支配下登録できる選手の上限は70人と決まっている。ドラフトで新しい選手を獲得すれば当然、その分の枠が必要になる。川原も海老根も今の段階では、所属する選手以上の活躍が難しいと各球団が判断したことになる。

　だが、プロ入りが断たれたわけではない。

センバツ優勝メンバーは将来的に、プロの世界で再会できるか　©Nanae Suzuki

　今回のドラフトで日本ハムから1位指名された日体大の矢澤宏太投手は高校時代、指名から漏れている。大学の4年間でドラフト1位と評価される選手に成長した。松尾は「トリプルスリー」を達成する新しいスタイルの捕手を目指してプロへ進む。川原と海老根にも再び同じ舞台に立つチャンスは十分にある。

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