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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドラフトは「当然、育成指名OKです」「24歳は“プロ入りする限界”かなと」独立L徳島の“隠し玉候補な俊足巧打+明大卒右腕”の本心
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2022/10/17 20:00
独立リーグ徳島の茶野篤政(左)と中山晶量。ドラフト指名を待つ
2022年は59試合177打数56安打2本塁打23打点37盗塁、打率.316で首位打者を獲得した。
「パワーはそんなにないけど、リードオフマンの意識をもってプレーしています。コーチからは“何か一つのことにこだわりを持ってやれ”と言われていますが、僕の場合は走塁ですね。リードやスタート、スライディングなど一つ一つの技術にこだわりを持ってプレーしています。大学時代とは違う部分を増やしていきたいと思っています。
最初は独立リーグの試合に適応するのが難しかったんですが、試合数を重ねるうちにだんだんにできることが増えたかな、と。首位打者になったのは予想外でしたが、打撃も成長したと思っています。
外野守備は本格的に始めたのが今年からで、あまり得意ではなかったのですが、少しずつ分かってきました。ポジショニングも、最初は言われたとおりにやっていただけでしたが、今は3人の外野手で連係して守備位置を変えたりすることができるようになりました」
当然、育成指名でもOKです
滋賀県出身である茶野。四国で野球をすることについて両親は「やりたいことをやったらいいよ」と応援してくれていると言う。球団から提供された住宅に住んで、一人で生活する毎日にもようやく慣れた。
「大卒ですから、何とか1年目でドラフトにかかりたいと思っています。メンタル面では思い切りの良さをアピールしたいですね。盗塁をするときでも、常に思い切りよくスタートを切りたいと思っています」
昨年、筆者は同じ徳島で村川凪という外野手に話を聞いた。村川は四日市大学時代は全くの無名だったが、徳島に入団してから「俊足」が注目され、40盗塁で盗塁王。この年のドラフトではDeNAから育成1位で指名された。
茶野は村川の出場する徳島の試合を見たことがあり、俊足という「一芸」で勝負する村川の姿勢に強く惹かれたと言う。徳島出身だと、巨人で足のスペシャリスト枠となった増田大輝も出ている。
「当然、育成指名でもOKです。何とかしてNPB球団に行きたい。今年ダメだったらどうするかはまだ考えていません。とにかく、NPB球団に行くことだけを考えて集中したいと思います」
足のスペシャリスト、そしてリードオフマン候補として、茶野は機動力が乏しい広島やDeNAあたりに入れば、面白い働きをする可能性はあるだろう。
日本ハム河野、DeNA入江の陰に隠れた大型右腕
中山晶量(なかやま・てるかず)は地元の鳴門高、明治大から徳島に入団して2年目。188cm90kgの恵まれた体格の右腕投手である。ぐっと相手を見据える目力が印象的だ。彼にも話を聞いた。