大谷　そこはまったく違います。去年に関しては、負担をかけたくないというだけでカットボールを投げていて、打たれてもしょうがないくらいの感じで投げていました。だから妥協と言いましたが、今年のシンカーに関しては負荷の問題ではありません。スプリットにシンカーが加わったわけで、明らかに投球の幅を広げてくれるものでした。

「バットを折りにいくくらいの感じになってきました」

――カットボールに関しては、今年も妥協という感覚がまだあるんですか。

大谷　カットボールもよかったですね。球速も92マイルから、試合によっては95マイルまで出ていたので、去年のバットに当てさせるというイメージから、バットを折りにいくくらいの感じになってきました。

©︎Nanae Suzuki

――大谷さんのツーシームやカットボールには、打たせて取るための動かすボールというイメージからは程遠い強さがあります。

大谷　まっすぐ、スプリット、スライダーの3つで抑えていくピッチングもいいんですが、他にもいろいろできたほうがいいじゃないですか。スライダーに関しても、横に曲がるスライダーもあれば、縦に落ちるものもある。スライダーをひと括りにして狙ってくる打線だと、そのスライダーが2種類あるだけで絞れなくなります。いろんなスタイルがあっていいし、まっすぐとスプリットのみで抑えていくのもアリだし、スライダーがやたら多い試合もアリ、まっすぐばっかりの試合があってもおもしろいなと思います。

――横に曲がるスライダーを投げるとき、腕を下げて投げたのには驚かされました。ヒジを下げるとかフォームを変えるというのはケガのリスクを招くものではないのでしょうか。

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