――そこから一つの物差しが見えると思いませんか？

　はいはいはい、そうなんですよね。プレミアリーグやチャンピオンズリーグにおけるトップトップの戦いになると「やっぱり差は少なからずあるんだろうな」というのは感じますけど、クロアチアリーグそのものは5大リーグのステップアップリーグ、つまり1個半下くらいの捉え方でいいのかなと思います。

ディナモ・ザグレブを相手にプレーする浦田樹　©Siniša Sović / NK Varaždin

――日本人選手の多いベルギーやオーストリアのリーグと比べても遜色ないと私は思うんですよね。

　そうですよね。ハイドゥク・スプリトもヨーロッパカンファレンスリーグ予選で小川（諒也）君がいるポルトガルのビトーリアSCを相手に勝ち上がったわけじゃないですか。

――しかも浦田さんはハイドゥクのエースである現役クロアチア代表FW、マルコ・リバヤと普段からマッチアップしているわけですからね。

　そういうことを考えるとそんなには……。僕もベルギーとかでやっていないですし、J1も経験しているわけじゃないから実際はわからないですけど、普通に考えたら「そんなに悪いリーグではないのかな」と思いますね。

守備、フィジカル、メンタル…クロアチアでの成長

――そんな中、今季のバラジディンは好発進をしています（※10月13日時点で4勝4分4敗の5位）。若くて勇気があってアトラクティブなサッカーは凄く好印象を持たれていますが、実際に今のチームでやっていてどうですか？

「2年前とは全然違うな」という印象ですね。ベテラン陣は案外と残っているんですけど、ハイドゥクから加わったMFトニオ・テクリッチやFWミシェレ・シェゴらが違いを作ってくれています。彼らは野心というかエネルギー量がスゴいです（笑）。

――実はクロアチア1部で外国人選手が一番少ないクラブがバラジディンです。浦田さんもここでは外国人選手扱いですが、すっかりチームに馴染んでいますよね。

　今季で3シーズン目ということが大きいかなとは思いますね。あとは英語が比較的通じるのが本当にありがたいです。今のチームはしっかりとした規律があるし、戦えないと本当に試合に出られないんです。そこは求められていますね。

バラジディンのエンブレムと共に　©Yasuyuki Nagatsuka

――クロアチアで自分が伸びたと感じる点はどこですか？

　守備面は間違いなくそうですね。あとはフィジカル面で、特にスプリントの回数は間違いなく増えました。そしてメンタル面。技術面は日本にいた時のほうが感覚的には良かったかなと思います。

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