――プラットフォームの効果はほかにありますか？

　ジム興行だとスター選手が出たときはいいんですけど、その選手が引退してしまうと、一気にファンが離れてしまう傾向があったと思います。ボクシングそのものにファンをつけられていない。しっかりしたプラットフォームをつくれば、安定的にファンを増やしていくことが期待できる。そう考えました。

「相場の倍額」のファイトマネーをいかに実現したのか

――さて、その『3150FIGHT』ですが、「ファイトマネーは相場の倍額」という点に注目が集まりました。

　一般的なファイトマネーは4回戦で約6万円、しかも現金ではなく選手が手売りするチケットで支払われます。これじゃあボクシングに憧れる人はいないじゃないですか。まずそこを変えたいと思いました。付け加えるなら、倍額は最低ラインです。それが頂点だとは思っていません。ボクシング界全体を何とか底上げしたい。そういう思いです。

現役時代の亀田興毅氏　©Miki Fukano

――『3150FIGHT』以外にも現金払いの興行はあるし、相場より高いファイトマネーを払うところもありますよね。

　あります。でもほんの一握りじゃないですか。

――そうですね。とはいえ現金で相場の2倍は簡単ではないと思います。その原資は主にスポンサー収入ということになりますか？

　そうですね。今、『3150FIGHT』には32社のスポンサーに参加いただいています。僕の現役時代、そしてJBC裁判時もずっと変わらずご支援していただいているスポンサーや、新規スポンサーの方々のおかげで成り立っています。

――営業をするにあたっては何を一番アピールしますか？

　ボクサーの地位を向上させる、ファイトマネーをアップさせる、というところです。営業に行くとボクシング界の現状、JBCとの裁判を含めてすべてを話しますけど、まずはファイトマネーを上げたいということを強く訴えます。日本チャンピオンの年収を1000万円くらいにはしたい。せめてそれくらい稼げるようにしてあげないと、憧れにはならないじゃないですか。

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