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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
「ファイトマネー倍額は最低ライン」「日本王者の年収を1000万円に」あの亀田興毅が本気で“ボクシング界の底上げ”に取り組む理由
posted2022/10/10 11:00
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Miki Fukano
元世界3階級制覇王者で、現役時代はリングの内外で話題を提供した亀田興毅氏が、ボクシングイベントのプロモーターとしての活動に力を入れている。自ら立ち上げた興行『3150FIGHT』は“ファイトマネー倍額”を掲げて大きな話題に。ファウンダー(創設者)と名乗り、ボクシング界に新しい風を吹かせようとする亀田氏に話を聞いた。(全2回の1回目/後編へ)
亀田興毅が『3150FIGHT』を立ち上げた経緯
――亀田さんが立ち上げた『3150FIGHT』が注目を集めています。まずは立ち上げの経緯を教えてください。
2019年6月にキックボクサーの那須川天心選手とエキシビションをやって、それがいろいろと言われて、ボクシングはもうええかなと。JBC(日本ボクシングコミッション)と裁判もしていたし、ちょっとボクシングと距離を置いたんです。
――ABEMAの那須川選手をKOしたら1000万円獲得という企画ですね。あのときJBCと日本プロボクシング協会が共同で「非ボクシングイベントに関与、協力しない」という声明を出しました。
はい。でもそのあとに、コロナ禍がやってきた。興行ができない、選手がどんどん引退していく。そういう状況を目の当たりにしました。
――興行が再開されてからも4回戦をはじめ若い選手の試合はなかなか組みづらい状況が続きました。
この状況をどうにかしたいと思ったんです。同時にボクシングと少し距離を置いて、見えてきたこともあった。そのひとつが「なんでボクシングにはプラットフォームがないのか」ということでした。
――プラットフォームとは全国の選手が出場できる大会、イベントということですね?
ええ。要するに、ボクシングジムの主催ではないボクシングイベントです。ボクシングって日本プロボクシング協会とかJBCが興行を開催しているわけじゃなく、各ジムが開催している。相撲は日本相撲協会が年6場所を開催していますが、ボクシングの場合は各相撲部屋が場所を開催しているようなものなんです。