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C・ロナウド37歳、母国で聞いた“ポルトガル代表に必要か?”「今も偉大な選手」「W杯では必ず彼の力が必要」「ただ、戦術はちょっと時代遅れ」
posted2022/10/08 17:01
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
今年37歳となったクリスティアーノ・ロナウド。バロンドール5度受賞のスターは今季、所属するマンチェスターUでは出場機会に恵まれず、イギリス国内では「不要論」も唱えられている。母国ポルトガルでは彼はどのように受け止められているのか。C・ロナウドがプロとして初めて在籍したポルトガルのスポルティングを訪ねた。(全3回の2回目/#1、#3も)
スポルティングの本拠地で聞いてみた
およそ4年ぶりに訪れたスポルティングの本拠地エスタディオ・ジョゼ・アルバラーデで迷い彷徨っていたら、アルバイトかインターンかボランティアの大学生スタッフ、ダヴィドが親身になって助けてくれた。彼が連れて行ってくれたメディア用のカフェでサンドイッチとりんごとチョコレートバーを受け取り、キックオフまでに少し時間があったので訊いてみた。
――CR7ってイングランドでは不要だとも言われているけれど、ポルトガル代表にとってはどう思う?
「クリシュティアーノ・ロナルドの信頼が揺らぐことはない。それは僕がスポルティング(CR7の出身クラブ)のサポーターだから、贔屓目で見ているというわけではないよ。彼はこれまでに途轍もないことを成し遂げてきたし、37歳になった今も偉大な選手だ。もちろん全盛期とは比べられないけれど、決定力はまだまだ超一流だと思う。マンチェスター・ユナイテッドでは状況が違うかもしれないが、ポルトガル代表では間違いなく、ストライカーとして先発すべきだね」
リスボンにそれなりに滞在して気づいたことのひとつ──ブラジルのポルトガル語と異なり、「ti」の音は「チ」よりも「ティ」に、「l」の音は「ウ」よりも「ル」に近く、「s」はシュと発音する。ここではできるだけクリスティアーノ・ロナウドの母国の雰囲気を出せるように、話し言葉の固有名詞は現地の音に最も近い表記で記したい。
現代表監督はEURO2016でポルトガルを優勝に導いてくれた英雄
賢そうな大学生のダヴィドは冒頭の答えに続いて、こうも語った。