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フェリス卒“スターダムの貴婦人”桜井まいが内に秘めた狂気と変身願望「女子プロレス界のダース・ベイダーになりたい」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/10/07 17:03
その経歴から“リングの貴婦人”と称される桜井まい。ユニット移籍やハードコアマッチを経て、プロレスラーとしての成長を実感しているという
ハードコアマッチで感情をむき出しに
9月12日の後楽園大会では林下詩美との試合があった。桜井は誕生日を2日後に控えていた林下にバラの花を贈って勝利の糸口をつかもうとした。
「どんな強敵でも、常に勝つ気で臨んでいます。バラの花作戦は成功しませんでしたけど、林下詩美がお客さんの前でうれしそうな顔しているのが見られてよかった。こんなこと言うと、怒られちゃうかも(笑)」
また、9月17日に大阪で行われた世羅りさとの激闘に、桜井はもうひとつの世界を見ていた。
「あんなに我を忘れて場外で暴れまくったのは初めて。引き分けという結果には納得はしていない。ジュリアと組んで世羅りさ・鈴季すず組に負けたハードコアマッチ(7月23日、名古屋)の悔しさもある。ジュリアがいなくても、プロミネンスはぶっ潰してやりたいですね」
DDM加入後、桜井はさまざまなことにチャレンジしている。
「DDMに入ってよかったです。ファイトスタイルも、自分がやりたいことに合っている。リーダーのジュリアのように、『今度は何をしでかすんだろう?』という狂気的な部分は目指しているところ。そういう選手になっていきたい」
桜井は以前から、黒いコスチュームを持っていた。話を聞くと、スターダムに来る前から「正危軍」が好きだったという。
「雪妃魔矢さんや桜花由美さん、安納サオリさんとも関わりがあって、ムチを持ってみたい願望がありました。そうしたら先日、信州ガールズの“女王様”LINDAさんとタッグを組む機会(8月26日、品川)ができた。そこでムチをいただいてから、ムチに目覚めました(笑)。またこのムチさばきで対戦相手をしばいてあげますよ」
桜井には“狂気の貴婦人”への憧れのようなものを感じる。
「ハードコアをしてみたいって、ずっと前に言ったことがあるんです。そうしたらイベントで話したファンの人が『じゃあ、世羅りさとかだね』って。それが今では現実になっているから不思議ですし、運命みたいなものを感じます。私は自分の感情を出すのが苦手なんです。よくポーカーフェイスとか言われるんですが、ハードコアだとそれが自然に出るんですよ。痛いのに楽しいからですかね(笑)」