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自己PRは“早稲田のナイチンゲール” フジ新人アナ松﨑涼佳23歳が競走部学生トレーナーから入社3カ月でスポーツ番組担当の夢をつかむまで
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNaoya Sanuki
posted2022/10/15 17:05
フジテレビのスポーツニュース番組『S-PARK』のフィールドキャスターを務める松﨑涼佳アナウンサー。陸上競技に没頭した学生時代からアナウンサーを目指すまでを率直に語った
「最初はたとえ同世代でもトップアスリートは特別な人なんだと感じていましたが、実際に全国レベルの選手が集まる環境に身をおいたことで、選手たちの等身大の部分も知ることができました。オリンピックに出場する道を切り拓いていく姿を見て、ある意味世界の舞台も身近に感じましたし、陸上以外でも自分が何かにチャレンジする時に、初めから手が届かない世界だとあきらめてしまうような壁を作らなくなったように思います」
大好きな部活を全うし、インターンから始めて一般企業への就職活動をする――。漠然と将来図を描き始めていた頃、運命を変える出来事が起こる。3年生の春を迎えると同時に世界中を襲ったコロナ禍だ。競走部の活動も停止となり、ステイホームの日々が続く。
キャッチフレーズは「早稲田のナイチンゲール」
「急に時間ができたので、早めに就職活動を始めてみようと思ったんです。1学年上の先輩でNHKのアナウンサーになった方に、就活のリハーサル的な意味でアナウンサー受験も考えてみたら、と言われて……。それまではアナウンスの練習はもちろん、人前に出ることをした経験もなかった。コロナ禍がなかったらアナウンサーになるなんて考えていなかったかもしれません」
就活中に、自己PRのためにつけたキャッチフレーズは「早稲田のナイチンゲール」。
「自己紹介では毎回最後に、“早稲田のナイチンゲールです”と言って締めていました(笑)。印象に残るキャッチフレーズを必死で考えましたね。大学でスポーツを学んで、アウトプットの場として部活をやっているというのは、女性アナウンサー志望者としては珍しかったので、ある意味武器としていた部分でもあります」
絶対に女子アナになりたい! と長年目指してきた受験者も多いなか、短期間の準備で難関突破した松﨑アナウンサー。短距離走者らしく、入社後もわずか3カ月でスポーツ番組担当の夢をつかむことになる――。
〈後編に続く〉
(撮影=佐貫直哉)