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羽生結弦プロ転向後の”3強争い”に名乗りをあげた島田高志郎(21歳)新たに師事したのは、羽生を指導していたあのコーチだった!
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAFLO
posted2022/10/05 17:01
東京選手権で優勝した島田高志郎(左)とジスラン・ブリアンコーチ
「また出来なかったという感じです。ここぞという時に力を発揮できるメンタルを練習から積み重ねていかないといけません。4回転トウループは、まだ考えすぎてしまう性格なのでもっとナチュラルに跳びたいです。ジスランコーチはメンタル的な部分でも支えてくださっています。やっぱり最後は気持ちなので、試合への臨み方や、自分の技術への信頼を練習で得ていくという作業を、一緒にやってくださいます」
島田は11月のGPイギリス大会にエントリー。10月初旬のアイスショーに出演したあとスイスに戻り、ブリアン氏とランビエルコーチのもと、練習を重ねる。
また、現在フリーの立場にあるブリアン氏は、ランビエルチームや木下グループと契約しつつも、コーチングの制限はないという。そのため東京ブロックのリンクサイドでは、顔なじみの日本選手達に分け隔てなく話しかけていた。次の来日は全日本選手権だと話し、東京ブロックを通過した男子達に「次は全日本選手権で会えるよう、頑張って!」とエールを送る姿が印象的だった。
優真、昌磨くんと一戦ずつ被っているので…
一方、三浦と佐藤も、それぞれの手応えを得る大会だった。昨季はジュニアながら四大陸選手権で3位となった三浦は、繰り上がり出場が決まった世界選手権は左足の怪我のために欠場し、シーズンを終えていた。
三浦はショートで、4回転サルコウを成功したものの、4回転トウループで転倒して2位。「4回転トウループは絶対に出来るものなのに、ちょっと勢いをつけすぎました」と反省した。フリーは前半に「トリプルアクセル」「4回転トウループ+3回転トウループ」「4回転サルコウ」の3本を力強く成功。「これは来た!」と思ったという。しかし次のスピンの途中から足に疲れが溜まり、動かない状態に。続くトリプルアクセルと後半の4回転で転倒し、フリーは首位だったものの、総合2位となった。
「ジュニアの頃と違って、ジャンプの前やつなぎに見せ場が入っているので、体力がないと続かない。スタミナを改善してグランプリシリーズに持っていけば、良い演技を出来る自信はあります。グランプリは、(鍵山)優真、(宇野)昌磨くんと1戦ずつ被っているので、先輩たちの背中を見ながら、自分の良さも見せたいと思います」
また今年2月に肩の手術を受けた佐藤にとっては、重要な復帰戦。ショートは4回転で転倒して6位発進と出遅れたものの、フリーは4回転ルッツに挑戦したほか、演技後半の4回転トウループを成功させ、総合4位と復帰の一歩を記した。