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羽生結弦プロ転向後の”3強争い”に名乗りをあげた島田高志郎(21歳)新たに師事したのは、羽生を指導していたあのコーチだった!
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAFLO
posted2022/10/05 17:01
東京選手権で優勝した島田高志郎(左)とジスラン・ブリアンコーチ
ショートで島田は、「4回転サルコウ」「4回転トウループ+3回転トウループ」「トリプルアクセル」のすべてを着氷。持ち前の軽やかな滑りに、力強さもみなぎり、89.90点で首位発進した。
「やっと初めて、ショートで4回転2本を入れる事ができました。今後の新たな挑戦としては、安定性が求められていくと思います」
「図星といえるようなアドバイスを毎回下さるので」
9月に出場したロンバルディア杯(イタリア)でも、ショートで4回転サルコウを降りて首位発進している島田。2試合連続で、ショートで4回転サルコウを降りたことは、大きな前進だった。
「ジスランは、すごく図星といえるようなアドバイスを毎回くださるので、それがジャンプの改善に繋がっていると思います。自分の心の中に留めているジスランからのアドバイスが2~3個あって、そこがすごく的確なんです。ちょっとジャンプの調子が悪いなと思い始めた時に、ジスランの言葉を思い出して修正するようにやっています。試合でちょっとずつ決まるようになってきた理由かなと思います」
島田が「的確」と語るとおり、ブリアン氏の4回転サルコウの指導には定評がある。紀平梨花も、昨年秋にトロントでレッスンを受けたときにこう話していた。
「4回転サルコウをやるための3回転を習ったのですが、踏み切るタイミングと左足の使い方がうまくハマった時にすごく高さが出て、このやり方なら絶対に4回転サルコウを跳べると確信できる瞬間がありました。跳ぶ瞬間の氷の押し方や、足の振り上げ方を習ったことで、明らかにジャンプの高さが変わりました」
今季の島田も、やはり踏み切った瞬間の回転のキレ味と、ジャンプの高さが増しており、それが2試合連続での4回転サルコウ成功に繋がった様子だった。
フリーでは課題も…「まだ出来なかったという感じ」
一方、フリーでは課題も見つかった。冒頭の4回転トウループで転倒すると、そのあとの4回転サルコウを、無意識で3回転に抑えてしまった。逃げ切りで優勝は果たしたものの、フリーは2位となり、悔しさをにじませた。