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ジャンポケ斉藤慎二39歳が明かす『ウイニング競馬』MCで苦しんだ日々「毎週土曜日が本当に憂鬱で…」「いまだにエゴサーチもします」
text by
軍土門隼夫Hayao Gundomon
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/05 11:04
2013年4月から『ウイニング競馬』MCを務めるジャングルポケット斉藤慎二。今では進行が板についているが、就任直後は苦しむ日々が続いたという…
斉藤 周りに助けられていますね。(現在一緒にMCを務める)森香澄アナウンサーも、競馬の知識はまったくなかったのに空いた時間に予習したり頑張っていますし。キャプテンはあのキャラクターで競馬ファンから愛されていますし、記者の虎石晃(東京スポーツ)さんもとにかく明るい方で。そして元調教師の大久保洋吉先生がパドック診断を固めてくれて。だから僕は進行に集中できるんです。たまにキャプテンが面白くないことを言うのをどうにかしなくちゃいけなくて、そこだけはいい加減にしろと思うんですけど(笑)。まあお互い様ですが。
――そのあたりは、ちょっとお笑い芸人としての意識が出ちゃう(笑)。
斉藤 でもやりすぎちゃうと、そういうのいらないんだよ、って思われちゃいますから。そこは難しいですね、いつまで経っても。
今はみんなに会えるのが楽しみでしょうがない
――今はもう、土曜日が憂鬱なんてことはないですか?
斉藤 まったくないです。逆に毎週、みんなに会えるのが楽しみでしょうがないです。
――特に成長したなと実感するのはどんなときですか?
斉藤 アクシデントで発走時刻が遅れたときの対応はそうかもしれないですね。見ている人からすると、5分くらい遅れても番組の進行なんてできて当たり前だと思うんですけど、あれはけっこうたいへんなんです。予想は、パドック中継は、CMはどうするのか。スタッフさんが急遽、組み直した流れでちゃんと進行するのは、最初は難しかったですね。
――それが今は?
斉藤 今はもう、逆に発走時刻が遅れるとワクワクするくらいです(笑)。経験から、自分の中である程度組み換えができるんです。あれを削ればいいとか、逆にあの話が入れられるぞとか。無事にオンタイムに戻ったときにスタッフさんと共有する達成感も味わえますし。でも、それは本当に最近ですね。
たぶん、今でもどこか怖いんだと思います
――もう「前のMCに戻せよ」と言われたトラウマは払拭されましたか?
斉藤 どうなんですかね。じつは今でも僕、『ウイニング競馬』のときは手汗がすごいんです。赤ペンのインクがパーっと滲んで。他の仕事ではそんなことまったくないんですよ。ダウンタウンさんとの共演でも、(明石家)さんまさんでもないのに。たぶん、今でもどこか怖いんだと思います。競馬が好きで見てくれてる人に応えなきゃいけないって。
――そういうところは、やっぱり性格もあるんでしょうか?
斉藤 そうですね、性格だと思います。叩かれたくないし、批判されたくない。そういうのに強い人もいると思いますけど、僕は本当に弱いんです。だからいまだにエゴサーチもしますし。でもそれはもう治らないし、向き合っていかなきゃいけないと思っています。
――だとすると、この『ウイニング競馬』MCの最初の1年を乗り越えたのは大きな意味がありそうですね。
斉藤 大きいですね。めちゃくちゃ大きいです。
<ジャンポケ斉藤、馬主になる編へ続く>