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《ジャパンC》日本競馬史上3歳のジャングルポケットだけが遂げた偉業… 伝説となった「01年JC」を振り返る ルドルフでも3着だった

posted2021/11/28 06:00

 
《ジャパンC》日本競馬史上3歳のジャングルポケットだけが遂げた偉業… 伝説となった「01年JC」を振り返る ルドルフでも3着だった<Number Web> photograph by Kyodo News

ジャングルポケットはジャパンカップで1番人気のテイエムオペラオーを追い上げ、わずかな差で先着した

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Kyodo News

11月28日に開催される日本競馬最高峰のレース、ジャパンカップ。今年はダービー馬シャフリヤールやオークス馬ユーバーレーベンら、有力な3歳世代が出走を予定しているが、実はこのレースを3歳で制することができたダービー馬は2001年のジャングルポケットただ一頭。当時の競馬界に大きな衝撃を与えたレースを振り返った記事を、特別に再公開します。(初出:NumberWeb2021年3月12日配信、肩書などはすべて当時)

 圧倒的な強さを誇示し、1984年に史上初の無敗の三冠馬となったシンボリルドルフ。そのシンボリルドルフが初めての敗北を喫したのは、3歳時に臨んだジャパンカップ(3着)であった。

「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフでさえ成し得なかった、ダービー馬による3歳時のジャパンカップ制覇。それをやってのけた唯一の馬が、今年3月2日に世を去ったジャングルポケットである。

 2001年のクラシックを戦ったジャングルポケットの世代は、3歳上のスペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダーの世代同様「最強世代」と言われた。

 同い年の皐月賞馬は、無敗でその座についたアグネスタキオン。NHKマイルカップを制したのはクロフネ。菊花賞を勝ったのはマンハッタンカフェ。これらの馬名を並べるだけで「最強世代」と呼ばれたことに納得が行く。

単勝1番人気の人気に応え、日本ダービーを勝利

 ジャングルポケットは1998年5月7日、安平町のノーザンファームで生まれた。父は1994年にリーディングサイアーとなったトニービン。ジャングルポケットより前の代表産駒に、93年のダービー馬ウイニングチケット、同年の牝馬二冠馬ベガ、97年の天皇賞・秋を勝った女傑エアグルーヴなどがいる。

 栗東・渡辺栄厩舎の所属馬となったジャングルポケットは、2000年9月2日、札幌芝1800mの3歳(旧馬齢)新馬戦と、同23日の札幌3歳ステークスを千田輝彦の手綱で連勝。

 次走から渡辺厩舎所属の角田晃一が主戦騎手となり、コンビ初戦のラジオたんぱ杯3歳ステークスはアグネスタキオンの2着。3着はクロフネ。その後ろは5馬身ちぎれる「三強」の1-2-3であった。

 01年の年明け初戦となった共同通信杯を快勝し、皐月賞に臨むもアグネスタキオンの3着。

 そのアグネスタキオンが屈腱炎のため休養に入った(結局、8月29日に引退を発表)ため、押し出されるようにしてではあったが、5月27日の第68回日本ダービーでは単勝1番人気に支持された。それに応え、見事、1馬身半差で勝利をおさめた。

【次ページ】 連敗後のジャパンカップではオペラオーが1番人気

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