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ジャンポケ斉藤慎二39歳が明かす『ウイニング競馬』MCで苦しんだ日々「毎週土曜日が本当に憂鬱で…」「いまだにエゴサーチもします」
text by
軍土門隼夫Hayao Gundomon
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/05 11:04
2013年4月から『ウイニング競馬』MCを務めるジャングルポケット斉藤慎二。今では進行が板についているが、就任直後は苦しむ日々が続いたという…
斉藤 しなかったです。過去の『ウイニング競馬』のVTRを見たり、他の番組を見るときもMCに注目して、参考にする部分を探すようにはなりましたが、誰かに訊くというのはなかったですね。なんというか、恥ずかしさもあったんです。好きなことをやってるのに悩んでるのが。「あれ? お前、競馬が好きでやってたんじゃないの?」って思われたくないというか。
――お話を伺っていると、本当に最初の1年で辞めてしまいそうな危うさです。
斉藤 だからキャプテン渡辺さんの存在は、本当に大きかったです。「俺はそこ(MC)、できないからね」って言ってくれて。「お前のプレッシャーに比べたら、俺はそういうのはまったくない。でもお前にはそこをやれる可能性があるから選ばれたわけだから」って。番組の後、いつもいっしょに帰ってたんですけど、競馬の話の中で自然とそういう話をしていただいて。楽になれました。相当つらそうに見えてたんでしょうね。
――そこから今年で、10年目です。
斉藤 少しずつです。本当に少しずつ、楽しめるようになってきました。だんだんと皆さんからも、見てるよ、とか競馬場で声をかけていただけるようになって。そういうのはものすごく嬉しいです。この番組がなかったら、たぶん僕は競馬芸人としてここまで浸透することはなかったかなと思います。
番組で忘れられないのは…
――番組上、ずっと心がけていることはありますか?
斉藤 いちばん最初にスタッフさんと話したのは、ちゃんと馬券を買ってるということは見せていこう、視聴者の方と同じ目線で競馬を見ていこう、ということでした。MCとしての技術以前に、そういうところで少しでも共感を得られれば嬉しいですからね。それで本命馬ではなく穴馬を、わかりやすく単勝と複勝で買うというスタイルは続けています。
――番組で、特に思い出深いのはどんな出来事ですか?
斉藤 正直に言うと、忘れられないのはつらい出来事を番組で伝えなくてはならなかった場面が多いです。後藤浩輝騎手の訃報とか、番組で一緒にやってた原良馬さんが亡くなったこととか。名馬が逝ってしまったニュースとか……。どれもきつかったですね、ニュースの重さも、それに対して自分の感情をコントロールする難しさも。それだけいろいろ起こるくらい、長くやっているということなんでしょうけど。
森アナ、虎石さん、大久保先生がいて、僕は進行に集中できる
――現在は『ウイニング競馬』MCとしてすっかり安定した仕事ぶりを見せています。