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「たとえ今日僕が負けたとしても君のために喜べた」フェデラーとナダルの美しい18年間の友情物語「ロジャーは誰よりもエレガント」 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byGetty Images

posted2022/09/23 17:01

「たとえ今日僕が負けたとしても君のために喜べた」フェデラーとナダルの美しい18年間の友情物語「ロジャーは誰よりもエレガント」<Number Web> photograph by Getty Images

2020年、南アフリカでのチャリティーマッチに登場したフェデラー(右)とナダル。二人の美しきライバル関係はいつから始まったのか

「ラファエルとの試合では、ほかの選手が相手のときのように戦ってもうまくいかない。彼のスピン、スピードは他の選手と質が違う。だから彼と試合をすればするほど僕は成長するはずだ。彼が現れてからずっとそう感じているんだ」

気分もナンバー2だよ

 フェデラーはこのように早い段階からナダルを特別視していたが、ナダルのほうは何度フェデラーに勝っても謙虚であり続けた。2006年から3年連続で全仏オープンの決勝でフェデラーを破ったナダルだが、特に2008年の勝利は圧倒的だった。6-1 6-3 6-0。優勝会見で、「もう自分がナンバーワンの気分では?」と問われると、「ノー、ノー、ノー」と即否定した。

「気分もナンバー2だよ。だってナンバー2だから(笑)」

 その翌月にはウィンブルドンでフェデラーの6連覇の夢を打ち砕くのだが、そのウィンブルドンでもフェデラーを称える言葉を何度も口にした。

「ロジャーは誰よりもエレガントなプレーヤーだ。全ての面において完成されている。彼に伸びしろがまだあるというなら、僕にはまだいくらでもあるってことだ」

イタリア語混じりのフェデラーからのメッセージ

 トニの教えから生まれた謙虚さだったに違いない。ナダルはその一方で、叔父に教えられなかったフェデラーの一面も早くから知っていた。

 ナダルがのちにV14を達成するローランギャロスを初めて制した2005年、フェデラーはウィンブルドンと全米オープンで優勝し、ふたりはそれぞれマスターズで4勝を挙げた。フェデラーは1位を守り、ナダルは7月に2位になった。ナダルにとってのマスターズ4勝目は当時10月にハードコートで開催されていたマドリード。接戦に次ぐ接戦を勝ち抜いてタイトルを手にしたナダルのもとに、フェデラーからすぐに祝福のメッセージが届いたという。フェデラーは開幕の数日前に練習で足首を痛めて欠場していた。そのメッセージは、まだあまり英語ができなかったナダルのためにスペイン語で書かれていた(イタリア語も混じっていたそうだが)。

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