Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「ムムッ!いいんです!」は兄ジョン・カビラの口癖だった? 川平慈英(60歳)がニュースステーション大抜擢の真相を語る「実は最初、断ったんですよ」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/09/23 11:06
テレビ朝日「ニュースステーション」のキャスターとして日本サッカーを盛り上げてきた川平慈英。しかし、本業である俳優との両立に悩んだ時期もあった
だが、あるとき、番組スタッフと久米の計らいで、川平が出演していたミュージカル『オケピ!』と『ニュースステーション』のサッカーコーナーが合体したことがあった。
「久米さんが『慈英はミュージカル俳優なので、今、地方公演へ行っています。今日はそこからJリーグコーナーをお届けしますので、お楽しみに。コマーシャルのあと』と振ってくれて。さらに 僕の舞台を20秒くらいにまとめてコーナーの中で紹介してくれて。泣きそうになりましたね」
こうしてサッカーファンがミュージカル俳優としての川平を知り、反対にミュージカルファンが川平を通してサッカーに興味を持ってくれるようになった。
「なんか目の前が晴れたような気持ちになりましたね。少しでも架け橋になれたことが本当にありがたいなって。二足の草鞋ですけど何か? って。まったく気にならなくなった」
大好きだった横浜フリューゲルスが横浜マリノスと合併し、消滅することになったときには、番組で合併撤回を訴え続けた。
「練習場が近所だったし、初代監督が加茂(周)さんだったからフリューゲルスを好きになって。ゾノ(前園真聖)も、山口素弘さんも大好きだったし、エドゥーの直接フリーキック! あんなすごいフリーキックを蹴れる人は、その後いないよね」
読売ユース時代の先輩である都並敏史と共演できたときは、感無量だった。
「都並さんがゲストで出てくれたのは本当に嬉しかった。プロのピッチでは共演できなかったけど、スタジオで共演できた。『いいんですか?』『いいんです!』のやり取りをしたときは、サイコーの気分でした」
ニュースステーションに出演することで、川平は愛するサッカーに関する数々の夢を叶えてもらった。
しかし、ひとつだけ実現できなかったことがある。
20年11月、それは永遠に叶えられない夢となってしまった。
(つづく)
[撮影協力]Stylist/Emiko Seki Hair&Make/Hidenobu Morikawa(NOV hari&make)
[衣装]ジャケット/DESCENTE PAUSE シャツ/DESCENTE ddd(ともにDESCENTE BLANC DAIKANYAMA)
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