“華がスゴい”新人たち

　後楽園公演では初戦にして自力勝利。昨年の「ミスFLASH」ファイナリストという肩書きも大きな武器と言っていい。8.12後楽園のメインイベントで夏葵と組み、青野&茉莉と対戦した皇希も“プロレス経験”のない新体制デビュー組。長身をダイナミックに使う動きで、新人ながらメインに抜擢された。男装アイドルユニットのメンバーという顔も持ち、これからさらに注目されそうだ。

後楽園ホール公演でデビューした後藤智香。「ミスFLASH」のファイナリストでもある

　皇希や後藤をはじめ、アクトレスガールズの演者たちは芸能界での経験からか、総じて“華”がある。プロレス経験者の青野は、そんな新人たちを指導し、引っ張る立場だ。とはいえ青野自身もまだキャリア5年ほど。昨年はタッグチャンピオンとなり「これからどんどん上に行きたいという時期」だった。だが団体の“プロレス撤退”で選手が大量離脱。ともにベルトを巻いていた関口翔もフリーとなった。ベルト自体も封印されている。プロレスのベルトだから、プロレスではなくなったアクトレスガールズでは不要となってしまうのだ。

注目の新人・皇希の顔面蹴りを受ける青野未来

先輩となった青野未来の葛藤

　頼りになる先輩たちも、ほとんどいなくなってしまった。まだまだ教わりたいこと、闘って吸収したいことがたくさんあったのに。

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「少し前までは同期や先輩がたくさんいて、その中でもっと頑張らなきゃと思ってガムシャラにやってきました。でも今年からは自分が上に行くのと同時に下を引っ張らなきゃいけない。試合でも受けて立つ立場で、正直それは自分に向いてるかどうか分からないです。しっかりしなきゃって思ってるんですけどね。“自分はこれでいいのか”って戸惑うし、悩みます」

　ポイントマッチにおけるポイントが僅差だった場合、それを試合内容で表現しようとするなど、青野としても常に考えて試合をしている。だがその「試合」とはアクトレスガールズにおいては「パフォーマンス」であって、実際のところファンに何を見せているのか、何を伝えればいいのか確信はない。新体制初の後楽園進出に不安もあったという。

「新体制はお客さんが入っていない時もあって、力不足を痛感してました。後楽園という目標があって頑張れたけど、去年まで（の後楽園大会）みたいな景色は見られないんじゃないかって」

　結果として、ソーシャルディスタンスを確保した“間引き”客席ではあるが満員になった。少しホッとしたが、自身の成長と後輩が力をつけることのバランスについては「今は耐える時期なのかなって。みんなに頑張ってもらうしかない部分もあるので」と言う。

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