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『G1』連覇オカダ・カズチカがIWGP挑戦権利証の“防衛戦撤廃”を訴えたワケ「この大会の価値って、そんなものじゃないでしょう?」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2022/08/20 11:02

『G1』連覇オカダ・カズチカがIWGP挑戦権利証の“防衛戦撤廃”を訴えたワケ「この大会の価値って、そんなものじゃないでしょう?」<Number Web> photograph by Essei Hara

ウィル・オスプレイを撃破し『G1』連覇を成し遂げたオカダ・カズチカ。試合後には、権利証防衛戦を行わず「1.4」でIWGP王座に挑戦すると宣言した

「去年のG1を武道館で戦って、『G1でもお客さんはこんなに少ないんだな』って……。こんな中でもしっかり応援してくれる、会場に来て応援してくれる、声が出せなくても応援してくれるお客さんがこれだけ来てくれるっていうことは感謝しかないですし、今日はしっかりと熱い戦いでお返しができたんじゃないかなと思います。

 もっともっと熱い戦いをして、今日は超満員にはなってないですけれど、来月には声出しの大会も行なわれますし、そこから一歩ずつ進んでいって、東京ドームを超満員にして、また『プロレス好きで良かったな』って思ってもらいたい。もっと好きになってもらいたいし、もっといろんな人にプッシュしてもらいたい。本当に今日は感謝しかなかったです」

 そう語るオカダは感慨深げだった。

 6716人は武道館の収容人数の半分以下とはいえ、昨年の3861人と比較すると3000人近く増えている。コロナ禍は会場に足を運ぶ習慣を奪ってしまったが、観衆は少しずつ戻ってきている。

「お客さんを取り戻したい。超満員の東京ドームで試合がしたい」とオカダは思っている。コロナ以前からオカダは超満員の東京ドームを夢見ていた。それなのに、未曾有のパンデミックによって数字は願いとは逆の方向に動いてしまった。

 入場の花道でも、上がったコーナーでもオカダは客席に視線を投げる。ぽっかりと広く空いた隙間は、やはり寂しい。

 新日本プロレスが掲げた今夏のG1の集客目標は5万人だったが、発表の数字は4万8138人と、ほんの少しだけ足りなかった。

「新日本プロレスは、オレの言うことはよく聞いてくれるって、内藤さんが言ってましたんで、検討のほどよろしくお願いします」とオカダがファンの前で頼んでいる以上、来年の1月4日にオカダがIWGP世界ヘビー級王者に挑戦することは間違いないだろう。

 だが、その時の王者が誰なのかはわからない。現在の王者はジェイ・ホワイトだが、今回のG1でジェイに勝っているタマ・トンガが名乗りを上げている。あるいは、さらに次の挑戦者が出てくるのかもしれない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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