人は誰でも「いい人」と見られたい欲求はある。けれども…

　また、社会人になって苦しいとき、「帝京のグラウンドに来て、元気をもらいに来ました」というOBも何人もいました。「帝京の空気を吸いに来ました」と言うのです。そうした言葉をもらうと、私自身もうれしく感じたものです。

　人は誰でも「いい人」と見られたい欲求はあると思います。嫌われるくらいなら、本当のことを言わず、オブラートに包んだ言い方をするというのも、優しさだと言う人もいるはずです。けれども私は違います。「将来のことを考えて、あえて厳しいことを言う」ことだって、人には必要なのです。

©Yuji Ueno

　今すぐ理解してもらおうなどと考える必要はありません。3年、5年、ひょっとしたら10年先くらいまでかかるかもしれませんが、言われた選手本人がいつの日か理解してくれれば、それで構わないと私は思うのです。

＜#1、#2から続く＞

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