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あの5打席連続敬遠から30年…星稜・松井秀喜から逃げなかった3人の高校生が明かす“真っ向勝負”「監督が敬遠しろって言ってます」
posted2022/08/15 17:02
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
Koji Asakura
彫像のように立っていた。ヘルメットのつばの奥、鋭い視線は微動だにしない。
1992年7月28日、星稜高校3年生の松井秀喜に凝視されているのは、石川県立工業高校のエース、葛城武だ。
奇しくも25年後の同じ日付に現れた取材者に質問を重ねられ、遠い過去は閃光のように瞬時よみがえる。
はじめての対戦は2年秋だった。2-11の完敗は「むちゃくちゃに負けました」の感想として脳の奥に残っている。
浴びた痛打のどれが松井によるものなのかは判然としない。ただ悔しくて、スライダーの習得に励んだ記憶は鮮明だ。
57年ぶりの甲子園を予感させたエースの登場
葛城は右の本格派投手だった。「そんな速くないですよ」との本人の謙遜を、高校時代の同級生だという傍らの妻が補う。