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ソフトバンク松田宣浩は一軍に残すべきか? 2901日ぶり二軍戦で確信した“熱男の圧倒的尊さ”…思いは受け継がれ「マスオ~!」も誕生
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2022/08/06 11:00
8月3日、2901日ぶりに二軍公式戦に出場した松田宣浩
「また、二軍に来たら違う姿を出すという選手もいっぱい見てきた。だけど、松田は違う。僕らも彼の振る舞いに助けられることがある。それもホークスのいいところ」
松田宣浩はやっぱりホークスの宝
主力の場合、ファームは調整の場。出場が終わって途中交代すれば、先にクラブハウスへ引き揚げることが許可される。早めにケアなどに充てるのも調整として必要だから、それを非というつもりはない。
ただ、松田は試合の最後までベンチに残っていた。
「僕はそういう野球をやってきてないから。最後までいるのは当たり前でしょ」
真顔でそう返された。
松田は翌4日も二軍戦に出場。この日もタイムリーを放って2戦合計5打数2安打2打点の成績を残した。大きな左飛もあった。小久保二軍監督は「逆風だったね。前の日のライトオーバー(三塁打)もこのレフトフライもドームならホームランだった」と笑っていた。松田は今季ノーアーチだが、PayPayドームで「熱男~!」とこぶしを突き上げたい思いは誰よりも強いはずだ。
そして、松田は5日の楽天戦(PayPayドーム)から一軍に戻った。
「二軍でも一軍でもやることは同じ。変えること自体がおかしい。僕はそういう野球をずっと貫いてきた。だから、筑後での2日間も調整のつもりでやっていない。そもそも、僕はレギュラーという立ち位置じゃない。とにかく1つのピースとして、チームの戦力になれればいい。そのためにもこの2日間、しっかり松田宣浩というものを出せたと思う」
プレーだけでなく、声と活気で何かを示した。松田はそのように自認していた。
色々言われるし、筆者個人としても邪推を抱いていた部分はあった。だけど松田宣浩はやっぱりホークスの宝であり太陽だ。そしてファンを笑顔に、そして元気にしてくれる「熱男~!」の輝きを、本当は心の中で誰もが待ち望んでいる。
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