オリンピックPRESSBACK NUMBER

杉原愛子「そういう目で見ないでほしいと言っても、見る人はいる」体操選手を狙う“性的撮影”…五輪では誹謗中傷も「選手村で話し合っていた」 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

PROFILE

photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2022/08/08 11:02

杉原愛子「そういう目で見ないでほしいと言っても、見る人はいる」体操選手を狙う“性的撮影”…五輪では誹謗中傷も「選手村で話し合っていた」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

東京五輪でも華やかな演技で日本を団体5位に導いた杉原愛子(22歳)。あの五輪から1年、アスリートをめぐる問題について聞いた

「パリ五輪までやって」の声も…杉原が描く未来とは?

 それでも、2度の五輪を経験した杉原が感じているのは体操競技の素晴らしさ。世界の舞台で多くの経験を得てきた彼女が今これから目指したいと考えているのは、次世代のオリンピアンたちのロールモデルになることだ。

「今は最終的な目標をどこに定めるかについて、多くの選択肢を持っている状況だと思っています。審判の勉強をしたり、エキシビションをやったり、体操の講習会に行ったり、さまざまなことをやっています」

 一番に考えているのは指導者になること。そして、ゆくゆくは国際体操連盟(FIG)の審判委員会メンバーになるというところまで目標として描いている。そのためには国際審判の資格を取得する必要がある。だから英語の勉強もしている。

 根底にあるのは体操の日本女子を強くしたいという思い。22歳で「一区切り」という決断に対して「早い」という声は多く、「パリ五輪までやってほしい」と言われることもあるというが、今このタイミングで競技生活に一区切りをつけることにしたのは、やりたいことがたくさんあるというのが最大の理由だ。将来もずっと体操から離れずにキャリアを積んでいく準備を始めるために、今このタイミングでの一区切りを決断したということである。

「私は体操が好き。ですから、普及にも関わりたいと思っています。海外では『パルクール』の競技人口が増えていますし、そういった新しい競技に流れていかないようにしないといけないなとも思っています。そのためにも、体操の魅力を伝えたいんです」

 将来を語る杉原の目は、きらきらと輝いていた。《#1、#2から読む》

(撮影=榎本麻美)

#1から読む
現役生活に“一区切り”…女子体操の立役者・杉原愛子22歳はいま何してる?「練習と学生の指導も。コーチの大変さを実感しています」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

関連記事

BACK 1 2 3
#杉原愛子
#武庫川女子大学
#シモーネ・バイルズ
#リオデジャネイロ五輪
#東京五輪
#オリンピック・パラリンピック

体操の前後の記事

ページトップ