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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛が「9月の欧州遠征で見てみたい」と語る “国内組の選手”とは?「藤田譲瑠チマと岩田智輝はセットで呼んでもいいのでは」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJFA/AFLO
posted2022/08/10 17:02
E-1選手権優勝に大きく貢献した横浜F・マリノスの選手たち。中村憲剛氏はダブルボランチを組んだ藤田譲瑠チマと岩田智輝に注目した
自分が得点を取るためだけでなく、降りてパスを引き出して周りの背後ランを促したり、自身もDFラインの背後へ走ったり。サイドバックや中盤の選手が中を向いて出せるときには、確実に顔を出していました。ボールホルダーが顔を上げたときに、パスを受けられるアクションを起こしていたのです。
守備でも西村と連動して、前線からスイッチを入れていました。ボールを奪いにいく連続性があり、プレスバックもしっかりとやる。守備の感度がいいですね。攻撃でも守備でも、アクションを続けることができていました。
藤田と岩田と同じように、町野と西村もセットで使ってみたいと思わせてくれます。前線にサイズのある選手を加える意味でも、町野は爪痕を残せたのではないでしょうか。
新戦力が起こす化学反応に期待
E-1選手権で爪痕を残した選手たちも、引き続きアピールを続けなければいけない立場です。当たり前ですが、W杯の代表入りが決まった選手はいません。
他でもない選手自身も、アピールの必要性は口にしていました。大会MVPに選ばれた相馬にしても、左ウイングは南野拓実と三笘、右ウイングは伊東純也、堂安律、久保建英らがしのぎを削る激戦区へ、飛び込んでいくのです。
そのうえで言うと、これまでとは違うタイプの選手、違うことのできる選手が登場してきました。使い方次第で興味深い化学反応が起きるのでは、という期待を抱かせる選手が。
森保監督は「9月の欧州遠征に連れて行きたい選手がいるか」と聞かれ、「イエス」と答えました。この発言は国内組のモチベーションを間違いなく刺激したでしょう。同時に、海外組の選手たちも「うかうかしてはいられない、ここからが最後の競争だ」との思いを強くしたのではと想像します。
森保監督が誰をどのように評価して、カタールW杯での戦いを思い描いているのかは、9月の欧州遠征のメンバー選考で明らかになります。それまでは国内、海外を問わず、選手たちの活発なアピールに期待したいところです。<前編から続く>
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