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スターライト・キッド「渡辺桃とはマジの勝負」「上谷沙弥だけには絶対…」“復讐を誓う黒い虎”が語る『5★STAR GP』優勝への道筋
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/07/28 11:04
7月30日から始まる『5★STAR GP』を前に、優勝候補の一角スターライト・キッドが大会の展望を語った
キッドの予言めいた言葉に鈴季すずは…
渡辺以外にも、キッドが去年の復讐をしたい相手や、戦いたい相手はゴロゴロいる。初対決の鈴季すずとは、7月30日の大田区総合体育館での開幕戦で激突する。
「ずっと同世代で気になっていた鈴季すず、あなたのプロレスにはジュリアの血も入っているのかなあ。何かいいきっかけになりそう、きっとそうなる」
そう予言したキッドに対して、鈴季は剣呑な言葉を返した。
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「ジュリアの血なんて言っているけれど、濃くて、濃くて、嫌なくらい濃い鈴季すずの血をお前に味わわせてやる」
ハードコアを主戦場とする鈴季の言葉だけに血なまぐさいものも感じるが、この1回では勝負はつかない気もする。
「上谷沙弥。お前だけには絶対負けないから」
キッドは7月9日に上谷沙弥が持つ白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)に挑戦した。白いベルトへの挑戦は3度目だった。昨年は2月にジュリア、7月には中野たむに挑んだが、キッドの願いはかなわなかった。
3度目の白いベルト挑戦に、キッドは「今の私なら、今度こそ取れる」と確信していた。「黒虎脚殺」なるグラウンドの拷問技で上谷を痛めつけ、空中殺法を封じて戴冠を夢見た。それなのにフェニックス・スプラッシュを浴びて完敗してしまった。まさかの結末に、キッドは珍しく取り乱した。
「2020年の5★STAR。2021年のシンデレラ・トーナメント。新人の上谷に、私は負けた。ハイフライヤー、私の見せ所も全部持っていかれた気がして、どん底まで落ちた。私は上谷にずっと邪魔されてきた。今回アイツから絶対白いベルトを取って、それも全部忘れてやろうと思ったのに……。7年かけてやっとここまで来たのに、今の私でも取れないのか。今の私に何が足りないんだ。なんでずっと上谷に勝てないんだ。私が一番負けたくない相手は、上谷沙弥なのに」
一昨年9月の『5★STAR GP』では新人だった上谷にも負け、たった1勝しかできなかった。そして昨年5月14日、後楽園ホールの『シンデレラ・トーナメント』では丸め込み合戦の末、屈辱的な敗戦を味わった。