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“5年勝てなかった”内藤哲也に大逆転勝利…棚橋弘至45歳が『G1』2戦目で涙ぐんだワケ「それくらい差があったんだと思います」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/07/27 11:03
7月24日に大田区総合体育館で行われた『G1 CLIMAX 32』Cブロック公式戦。内藤哲也を下した棚橋弘至は、涙をこらえるように天を仰いだ
でも、さらにその前を振り返ってみれば、2010年10月の両国国技館大会から2011年10月の両国国技館大会まで、内藤は棚橋にG1以外のシングル戦で全敗した。当然と言えば当然だが、「どれだけ負ければいいんだ」と悔しがっていた内藤を筆者は思い浮かべてしまう。
デビュー前から棚橋に憧れを抱いていた内藤だったが、同時に「棚橋を引きずり下ろすのはオレの役目」とはっきり言っていた。
開幕2連敗の内藤「オレの夏は終わらない」
そして、2022年7月24日。棚橋にスモールパッケージホールド(首固め)で敗れた内藤は「信じられない」という表情で茫然としていたが、しばらくして座ったまま棚橋に近づくとニヤリと笑った。来年の1月4日の東京ドームでのメインイベントというテーマがある内藤には、かなり痛い2敗目だ。それでも、内藤は笑った。その笑顔に、棚橋がうなずいたように見えた。
内藤にとっては2戦2敗と厳しい星取りになってしまった。リーグ戦の残りは4試合だが、すでに他力本願的な部分もある。だが内藤はまだ、あきらめてはいない。
「だいぶ追い詰められてきたな。今、オレに出来ることは残り試合をすべて勝つこと。1%でも可能性が残っているのであれば、オレはこの『G1 CLIMAX』優勝、そして2023年1月4日東京ドーム大会のメインイベント目指しますよ。オレの夏は終わらない」
そして、棚橋も優勝への意気込みを見せた。コーナーに上がってじっと内藤の後ろ姿を見送った棚橋は、ファンの声援に何度も応えて筋肉ポーズまで決めた。8月の日本武道館まで、リーグ戦を無事に勝ち進むことができるだろうか。
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