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巨人不振の根源に「勝利の方程式・整合性なきリリーフ起用」 成績で見ると盤石ヤクルトとの差は歴然〈セ唯一の救援防御率4点台〉 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/07/26 06:00

巨人不振の根源に「勝利の方程式・整合性なきリリーフ起用」 成績で見ると盤石ヤクルトとの差は歴然〈セ唯一の救援防御率4点台〉<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

“魔の8回”と呼ばれるなど、巨人のリリーフ陣が機能していないのは数字でも明らかだ

 強いチームでは「僅差の勝ち試合」で使う中継ぎは顔ぶれも、投入するイニングも決まっている。そのリレーでクローザーにつなぐのだ。言わずと知れた「勝利の方程式」である。一方で大差のついた勝ち試合や負け試合では、方程式に使う投手は温存して、それ以外の中継ぎ投手が出てくる。こうした「メリハリ」こそが、投手起用の妙と言える。

 昨年のヤクルトは規定投球回数に達した先発はいなかったが、「勝利の方程式」でペナントレースを制した。殿堂入りした救援投手だった高津臣吾監督の面目躍如だ。それに対して、巨人は首をかしげたくなるような救援投手の起用が続いた。

ヤクルトと巨人の前半戦救援陣の成績詳細を比べてみる

 残念ながら、その傾向は今季も全く変わっていない。

 ヤクルトと巨人で前半戦、15試合以上登板した救援投手の成績に、投げた試合の勝敗、勝率(カッコ内の数字)をつけてみた。

<ヤクルト>
清水昇24試5勝1敗0S 10H 22.2回 率1.19
(22勝2敗0分 率.917)
マクガフ35試0勝2敗25S 3H 33.1回 率2.36
(31勝3敗1分 率.912)
石山泰稚22試2勝0敗0S 7H 20.1回 率2.66
(15勝6敗1分 率.714)
梅野雄吾27試3勝1敗0S 10H 26.1回 率1.37
(19勝8敗0分 率.704)
田口麗斗27試0勝1敗1S 15H 19回 率0.47
(18勝8敗1分 率.692)
木澤尚文31試5勝2敗0S 4H 43回 率3.14
(19勝11敗1分 率.633)
コール29試2勝0敗0S 6H 30.2回 率3.23
(17勝11敗1分 率.607)
今野龍太32試1勝2敗1S 15H 27.1回 率1.98
(16勝15敗1分 率.516)
大西広樹29試3勝1敗0S 3H 37回 率2.19
(13勝15敗1分 率.464)

 ヤクルトはセットアッパーが清水、クローザーがマクガフ。そして石山、田口、梅野、木澤と成績の良い投手が、勝っている試合で多く起用されている。石山は6月17日を最後に二軍落ちしているが、高津監督はその代わりに今野を「勝ち試合」で起用し始めている。

 コロナによって勝利の方程式はかなり揺れてはいるものの、高津監督は今年も救援投手について、明確な方針をもって起用していることが数字からも見て取れる。

では、巨人救援陣の成績を見てみると?

 これに対して巨人の救援陣はどうか?

【次ページ】 では、巨人救援陣の成績を見てみると?

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