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「少年院は引退後の夢を叶えてくれた場所」元”スーパー女子高生”小林祐梨子が後悔する現役時代「”できません”のたった5文字が言えなかった」 

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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posted2022/07/21 17:02

「少年院は引退後の夢を叶えてくれた場所」元”スーパー女子高生”小林祐梨子が後悔する現役時代「”できません”のたった5文字が言えなかった」<Number Web> photograph by Yu Shoji

兵庫県加古川市にある播磨学園で教壇に立つ小林。”スーパー女子高生”は教師になっていた

「最初は学力を上げたい一身で『学校の先生』を演じていました。でも、カリキュラム通りに進めようと思うと反応も余韻もなく、ふとした疑問に答えられずに、次の問題に入ってしまうんです。例えば『50%引きの商品がさらに50%引きされたらタダになりますか?』とか『1週間って6日と7日の週がありますよね?』とか。教室内でも学習能力に大きく開きがあるので、今はゴールを決めずに彼らに合わせています」

 取材した日の授業では前半は計算問題、後半は文章題がテーマだった。小林さんは順繰りに机を回り、「この問題が分からなくて……」と小さな声で伝える少年に解き方をアドバイスしていく。

 今年4月には18、19歳が「特定少年」と位置づけられる改正少年法が施行された。実名報道が一部解禁されるなど、少年事件への世間の目が厳しさを増すなかで、計算指導にも工夫を凝らすようになった。

毎朝新聞に目を通すようになりました

「最近は時事問題や社会情勢と絡めた問題を出すようにしています。少年院にいても世の中の動きを知っている必要があると思うので。先々週は輸入関税の引き上げだったかな。毎朝新聞に目を通すようになりました」

 小林さんのノートには、朝刊から書き写した時事ネタが並んでいる。「単純な計算問題のなかでも社会との接点を作ってあげたい」と語る小林さんの表情は、生徒たちを思う先生さながらだ。授業を通じて、少年たちに一番伝えたいことはなんだろうか。

【次ページ】 成功体験を植え付けてあげたい

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