プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「新日本プロレスが存在している意味がない」オカダ・カズチカらは木谷オーナー“涙の猛ゲキ”にどう応える? 真夏の『G1』で反転攻勢なるか
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/07/14 11:04
2021年の『G1 CLIMAX』で3度目の優勝を果たしたオカダ・カズチカ。木谷高明オーナーによる“涙の猛ゲキ”に選手たちは応えられるのか
G1の優勝者予想は「本命・オカダ、対抗・棚橋」
木谷は新日本の底力は認めているが、一方でスターダムをかなり評価している。
「スターダムは必死なんですよね。新しいことをどんどんやっていくし、展開もすごく早い。YouTubeのチャンネル登録者数はまだ21万人くらいですけど、5月はマンスリーのアクティブユーザーが500万人いたんです。総再生数は2000万回を超えたんですよ。これはブシロードグループで一番多いんです。今後、新日本プロレスと二人三脚で日本国内もそうですし、世界も股にかけて活躍させていきたいなと思っています」
プロレスにおける女子の試合の必要性を木谷はさらに強調した。女子の試合がないと不自然に感じる時が近い将来必ず来ると確信している、と。木谷はアメリカばかりでなく、アジアも視野に入れた構想を持っているから、その中で、女子の役割がどれだけ重要なことかを認識している。
ブシロードはお祭りだとしながらも、11月20日に新日本とスターダムの合同興行(有明アリーナ)も発表済みだ。ここではタッグの混合試合も行われる。
「新日本プロレスは10年前にブシロードグループ入りしましたけれど、そのときが新日本プロレスver.2.0だとしたらですね、今日からは新日本プロレスver.2.1ということです」
木谷が10年前に新日本プロレスをその傘下に迎え入れたときは、『G1 CLIMAX』でスタートダッシュをかけたという。そして新たに再スタートダッシュをかけるという今年のG1は7月16日、札幌の北海きたえーる大会から、8月18日の日本武道館大会まで続く。
28選手が4ブロックに分かれてリーグ戦を戦い、優勝戦前日に準決勝2試合が行われる。4ブロックに分けたことで見たかったカードは必然的に減る。それがどう評価されるかは、ファンの審判を待つしかない。
今年のG1の優勝者予想だが、筆者の本命は昨年の優勝者で現在IWGPのベルトがないオカダだ。不思議なことだが、このところオカダに元気が感じられない。その元気のなさが逆に不気味だ。対抗は棚橋弘至だ。少し楽になったリーグ戦の日程がベテランに有利に働くかもしれない。棚橋のための4ブロックなのかも知れない、と勝手に思ったりもした。その棚橋は「ちょっくら、優勝してきます」といつものように笑った。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。