また、競技のレベルが他校よりもかなり低いことも多いので、一緒に練習や試合に出ることはかなわない可能性もある。「部活」が、学校、社会とのつながりを維持する絆になっているような生徒は、部活のアウトソーシングによってオミットされる可能性がある。

　運動部活の地域移行に際しては、こうした問題も十分に留意してほしいと思う。

　筆者が挙げた2つの問題は、近年急速に進行している「格差社会」につながる問題でもある。

経済的に不安定だとスポーツにアクセスできない？

　現在のトップアスリートの多くは、裕福な家庭の出身者である。経済的に不安定だったり、複雑な家庭の子供は最初から「スポーツにアクセスすること」ができなくなっていることも多い。

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　そういう生徒も取りこぼすことなく、部活の地域移行に組み込んでほしい。また「私学と公立校の格差」もできるだけ小さくする政策を進めてもらいたいと個人的に思っている。

　議論は始まったばかり。「強い子、優秀な子」だけでなく「普通の子、環境的に恵まれない子」にもスポーツの機会を与えることを重視してほしい。