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桜井まい「これだけやって負けられない」“フェリス卒のお嬢様”がスターダムの人気女子プロレスラーになった理由…アンチには「感謝してます」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2022/07/05 17:03

桜井まい「これだけやって負けられない」“フェリス卒のお嬢様”がスターダムの人気女子プロレスラーになった理由…アンチには「感謝してます」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

フェリス卒、CAの内定を蹴って芸能界→スターダムの人気プロレスラーとなった異色の経歴を持つ桜井まい

「タイトルマッチのプレッシャーはもちろんありました。でも、そのことで気が引き締まったし、普段の練習でも“もう1時間頑張ろう”という気持ちにもなれて。今までとは違う感覚でしたね。これからはこの感覚でずっと続けたいです。今は先輩後輩関係なく、誰とやっても負けるのが嫌だし負けたら悔しい。全員とバチバチやり合って、全員と因縁というか、今後につながるストーリーを作っていくぐらいの気持ちです」

もう誰も“お嬢様育ち”とは思わない

 大田区でのタイトル戦に合わせてコスチュームを変え、長い髪をバッサリ切った。意識の変化を形でも表し、イメージはより精悍なものになった。リング上で吼える姿を見たら、誰も“お嬢様育ち”とは思わないだろう。

 今の桜井は“若手枠”から脱却しつつある。6月26日の名古屋大会ではジュリア、舞華と組んで6人タッグ王座に挑戦。7月30日に開幕するシングルリーグ戦、5★STAR GP初出場も決まった。6月に行なわれた予選リーグで上位3名に入り、本戦出場権を掴み取ったのだ。

「これで強い人たちとたくさんシングルマッチができる。経験値が上げられる」

 桜井はそう言って意気込む。もちろん“経験”だけで終わらせる気はない。大物食いを狙っているし、リーグ戦で誰と闘いたいかと聞かれて「気になるのは中野たむ」とも。かつて所属したコズミック・エンジェルズを率いるたむこそ、闘って成長を示すのにうってつけの相手だ。

アンチに「感謝してますよ」

 ジュリアは、桜井の5★STAR GP出場決定をことのほか喜んだ。自分に憧れてスターダムに来た桜井を一人前にするという責任感があったからだ。

「桜井は自分が巻き込んでDDMに入れたというのもあるし。ファンの子でもジュリアに憧れてレスラーになりたいっていう声があって。“自分にそんな影響力があったんだ”って思い知らされましたね。いろいろあったけど必死になってやってきて、それを見て憧れてくれる人もいるんだなと。そう思うと使命感も出てきますね」

 この春、DDMから朱里とMIRAIが抜けて新ユニットを作った。「これからのDDMがどうなるか、桜井にかかってる」とジュリア。その期待に応えての予選突破だった。

 1年かけて桜井まいは大きく変わった。団体にせよユニットにせよ、とにかく動くことで環境を変え、力をつけた。5★STAR GPでは希望通りたむと同じブロックに。負けたくないのは試合の相手だけではないとも言う。

「スターダムに来た時もDDMに入った時も、ファンのみなさんからいろんな“ご意見”をいただいたので(笑)。おかげでメンタルが強くなりました。ずっと“負けないぞ”という気持ちでやれてますね」

 アンチに「感謝してますよ」と言えるほどの図太さは、真夏の過酷なリーグ戦でも大きな武器になるはずだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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