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[巻頭インタビュー]中田英寿「勝ったから、ではない満足感」

posted2022/06/30 07:05

 
[巻頭インタビュー]中田英寿「勝ったから、ではない満足感」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/Tsukuru Asada

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金子達仁

金子達仁Tatsuhito Kaneko

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Naoya Sanuki/Tsukuru Asada

2002年日本代表の核は、紛れもなく背番号7だった。20年の時を越えて、孤高のエースと呼ばれたMFが語った母国開催の意義、そしてサッカーの進化と本質とは――。

 ブラジルは押し込んだ。圧倒的に押し込んだ。

 日本は耐えた。過去の対戦がそうだったように、懸命に耐えた。

 6月6日、新しくなった国立競技場で行なわれた日本対ブラジル戦は、最終的なスコアはともかく、内容的には驚きの少ない試合だった。

 ただ、久しぶりに世帯視聴率が20%を超え、数字の上では1500万人を超えていたはずの視聴者には、思わず息を呑む、あるいは目を瞠ったであろう瞬間があった。

 中田英寿と小野伸二が隣り合って試合を観戦する姿が映し出された場面である。

「驚かれた方が多かったみたいですね。後でいろんな人から言われました(笑)」

 2人がブラジル戦を観戦していたのは、日韓ワールドカップから20年が経ったことを受けた、日本サッカー協会の企画の一環だった。会場にはあの大会に参加したそのほかの選手たちも、さらには指揮官を務めたフィリップ・トルシエの姿もあった。

 だが、中田の隣に小野がいたのは、偶然ではなかった。

「ほら、ぼくの場合、最近の選手のことはわからないから(笑)。なので、ここは現役の選手の隣に座って、誰がどんな選手なのか、解説してもらわなきゃいけないかなって」

 隣に座ってくれた小野は、予想した通り、現在のサッカーにも明るかった。

「いや、そこはそうした方がいいだろとか、ここでそれしちゃダメだろとか、あいつ、いろいろ言うのが好きなんですよ。ああいうのって、その人がサッカーのどういうところを見てるかわかるから面白いですよね」

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