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武豊と悲願の凱旋門賞へ…ドウデュースの松島オーナーが明かす“あのダービー”「千両役者やなあ」「武君と夢を共有して…いい人生だな」 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2022/06/25 17:01

武豊と悲願の凱旋門賞へ…ドウデュースの松島オーナーが明かす“あのダービー”「千両役者やなあ」「武君と夢を共有して…いい人生だな」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

今年のダービーを制したドウデュースと武豊。オーナーの松島正昭氏に話を聞いた

 馬主になって10年も経たないのにこれほどの実績を残してきたことは驚愕に値するが、それなりの金額を投じてきたことも確かだ。馬主業を投資とみなした場合、ダービーを勝ったことによって十分なリターンを得られたと考えているのだろうか。

「金額のうえでは、見合うリターンはまったく得られていません。ただ、僕個人としては、武豊君と夢を共有して、それを叶えるために協力しているのだから、いい人生だなと思います。自己満足ですけど、毎日が楽しいです。死ぬとき、『ああ面白かった』と言えるでしょうね」

 庶民レベルでは、「人間の悩みの9割は金で解決できる」とよく言われる。しかし、逆に、金があるからといって夢を叶えられるわけでもない。特に、「一国の宰相になるより難しい」とも言われているダービーオーナーになるには、資力だけではなく、運や出会いなど、いろいろなものに恵まれなくてはならない。

「例えば、同じ1億円でも、100万円の馬を100頭買うより、1億円の馬を1頭買うほうが、夢に向かっていくとき、叶う確率が高くなると思います。昔から思っているのは、金を遣ったからといって夢が叶うわけでなくても、金を遣えば夢を追うことができる、ということです。僕も、自分の限界が来たらやめようと思っています。これまで何度も、『もうアカン、これ以上はつづけられない』という状況に追い込まれましたが、そのたびに何かが勝って、今に至っています。ですから、ここまで順調に来られたという感覚はまったくないのですが、夢を追いかけられる限りは、追いかけたいですね」

「とにかく、凱旋門賞は楽しみます」

 武が引退したら、自分も馬主をやめると公言している。

「喜びが半減しますから。そうなったら馬主は息子に継がせますし、娘がインゼルをつづければいい。僕は、馬主をやめたら生産牧場をしようと思っているんです。これまでいい牝馬を購入してきて、その良血がもったいないので、可愛い馬たちをつくろうと思います」

 まだまだ先のようでありながら、凱旋門賞まで3カ月半を切った。

「こんなこと、一生に一度あるかどうかですから、楽しもうと思っています。いつからフランスに行こうかとか、向こうで晩は何を食べようかとか、そうしたことを考えたり話したりするのが楽しい。ダービーのときは勝ち負けにこだわっていましたが、凱旋門賞にはそれがなく、ワクワクしかない感じです。去年ブルームで出て、すごいレースなんだとあらためて思って、今年は僕の馬に乗った武君が勝つかもしれないと思うと、ものすごい高揚感があります。とにかく、凱旋門賞は楽しみます」

 これまで数々の日本の名馬が世界最高峰の壁に阻まれてきた。が、活力たっぷりに道中を進み、ピッチ走法でありながら2400mでも飛び抜けた瞬発力を発揮できるドウデュースなら、ひょっとするかも、と思わせる魅力がある。

 第101回凱旋門賞は10月2日。パリロンシャン競馬場で歴史が動くか、注目だ。

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「最初に勝つ日本人騎手は『武豊』でなくては」ドウデュースで日本ダービー制覇、松島正昭オーナーが“武豊と凱旋門賞”にこだわる理由

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