沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
“純白のアイドル”ソダシがオークスからの3カ月で「大人」に…カギは精神面での成長と“52kg”《ハイレベルGII札幌記念》
posted2021/08/21 17:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
前走のオークスで初黒星を喫した「真っ白なアイドル」は、ハイレベルな「スーパーGII」で「復権」を果たすことができるだろうか。
無敗で阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞を制した白毛のソダシ(牝3歳、父クロフネ、栗東・須貝尚介厩舎)が、今週の第57回札幌記念(8月22日、札幌芝2000m、3歳以上GII)に出走する。
ソダシは、5月23日のオークスで8着に敗れたあと、北海道のノーザンファーム空港に放牧に出され、7月22日に函館競馬場に入厩。ここを目標に仕上げられてきた。
オークスの敗因は、序盤から他馬に激しくマークされ、折り合いを欠いてしまったことだろう。それでも、大きく崩れることなく、勝ち馬からコンマ6秒差に来たのだから、やはり強い。
須貝調教師は、春と比べて「精神面で成長し、ドッシリとしてきた」と話している。そして、担当の今浪隆利厩務員も「背が高くなって、落ちついている」と、心身の確かな成長を感じ取っている。
札幌競馬場は重賞初制覇を果たしたゲンのいい舞台
古馬との初対決となる今回は、さらに強い相手とやり合うわけだが、今のソダシなら、オークスのときのようにエキサイトして掛かる心配はなさそうだ。
先週の水曜日には、函館で主戦騎手の吉田隼人がオークス以来に跨った。芝コースに入り、併せ馬で前を行く3頭の間を割る追い切りを行い、力強い動きを見せた。
今週の水曜日、雨のなか函館芝コースで行われた最終追い切りでも、力のいる馬場をモノともせず、パワフルな動きを披露している。
札幌競馬場は、昨年9月に行われた札幌2歳ステークスで白毛馬によるJRA芝重賞初制覇を果たしたゲンのいい舞台だ。好位から抜け出す競馬で強さを発揮してきたこの馬にとって、小回りコースはおあつらえ向きである。
2000mの距離が不安だという声もあるが、札幌の場合、1800mのスタート地点からゲートがそのまま真っ直ぐ後ろに1ハロン下がるだけ。距離が長くなることのマイナス面より、1コーナーまでの距離に余裕ができて、ポジション取りが楽になるプラス面のほうがずっと大きい。