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格闘技PRESSBACK NUMBER
東京ドームで芦澤竜誠と“狂気のケンカマッチ”を行うYA-MANの二面性とは… 会見で“ブチ切れ乱闘騒ぎ”も「自分の武器は戦略力」
posted2022/06/18 17:01
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
『THE MATCH 2022』で芦澤竜誠と“狂気の頂上対決”を行うYA-MANはふたりいる。嘘ではない。ひとつの肉体に、ふたつのマインドが宿っているということだ。
ひとりは記者会見で当たり前のように対戦相手にケンカを吹っ掛けるYA-MANだ。4月22日、芦澤との一戦が発表されたときの会見は、危険な匂いのするYA-MANの真骨頂だった。
記者会見で芦澤竜誠と乱闘騒ぎ
YA-MANが「お前(芦澤)、ケンカしたことないだろ。東京ドームでみんなの前で泣かしてやるからよ。マジ、弱いから」と挑発すると、芦澤も「(みんな)ケンカマッチを見たいと思ってるから。俺の方がオープンフィンガー向いてると思うんでケンカします。(YA-MANは)何もわかってないな、ガキ。お前は頑張って不良みたいなこと言ってる。東京ドームでケンカしたら面白いぞ」と言い返す。
その発言にブチ切れたYA-MANは水の入ったコップを持ちながら、芦澤に駆け寄り乱闘を始めた。筆者は現場に居合わせたが、そのときの緊張感といったらなかった。サングラスをしていたので表情を窺うことはできなかったが、その小走りのピッチに筆舌に尽くし難い恐怖を覚えた。
周囲が間に入りことなきを得たが、その際に転倒したYA-MANは後頭部をカットして出血する大惨事に。いくらなんでもやりすぎだが、のちにYA-MANは「感情のまま動いた」と吐露する。周囲の選手がドン引きするほどのリアルな乱闘をいきなり演じられるところに、このニュータイプのファイターの素の魅力が見え隠れしている。
だからといって、YA-MANは粋がっているだけではない。実はもうひとりの彼は、冷静沈着に試合を分析できる戦術眼を持つ。巷ではYA-MANの凶暴でアナーキーな部分ばかりが取り沙汰される傾向があるが、ふたつの性格が混ぜ合わさってこそ、ワルくて強いYA-MANが成り立つのだ。
本人も「凶悪な自分と冷静な自分がいる」ということを自覚している。
「挑発するときには攻撃的な自分が出てきて、いざ試合になったら、狂気的な部分と普段の落ち着いた自分が重なり合っている」