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井上尚弥29歳が、あのドネア戦のあとに明かした本音「バトラーがやる気ならイギリスまで行っても全く問題ないです」《独占インタビュー》
posted2022/06/16 17:02
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Maciej Kucia
発売中のNumber1053号『井上尚弥 無限の拳』では、巻頭で井上尚弥選手のインタビュー「次なる王道へ」を掲載している。日本人初の3団体統一王座、そして米リング誌のPFP1位を獲得したモンスターは今後どのようなチャンピオンロードを歩もうとしているのか。インタビューでは、ドネア戦での知られざる真実や、戦いの合間の驚きのリラックス法までを余すことなく公開している。誌面の一部を抜粋して紹介する。
――WBO王者、ポール・バトラーとの4団体統一戦とスーパーバンタム級進出には、ファンが大きな期待を寄せています。
「早くスーパーバンタム級に上げてほしいという声も耳にしましたけど、ここまできたら4団体統一をしたい。こちらはやる気満々ですからバトラー次第でしょう。自分は日本でやってもいいし、イギリスでやりたいというならイギリスまで出向いてもまったく問題ないです」
――バトラー本人はぜひやりたいと言っているそうですよ。
「それはうれしいです」
――一方で既に井上選手がバンタム級ナンバーワンという見方に異議を唱える人はいないと思います。それでも4団体統一にこだわりますか?
「こだわるというより、4団体を統一することによって自分の価値を上げたい。バンタム級で4団体を統一してスーパーバンタム級に上げるのと、3団体だけで上げるのではアメリカでの評価も違ってくると思うんです。そういう理由で4団体統一は価値があると感じています」
笑みを浮かべて…「マッサージですかね」
インタビューが終わりにさしかかるころ、井上に「今、ささやかな幸せは何ですか」とボクシングとはまったく異なる質問をぶつけてみた。井上はこの日、初めて長考に入り、ボクシングの話題では見せなかった笑みを浮かべ、そしてようやく見つけ出した答えを口にした。