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記者の声「ギータ瘦せた?」 交流戦で1試合5三振、本塁打ゼロの異常事態…ソフトバンク柳田悠岐(33歳)に今、何が起きているのか

posted2022/06/14 06:00

 
記者の声「ギータ瘦せた?」 交流戦で1試合5三振、本塁打ゼロの異常事態…ソフトバンク柳田悠岐(33歳)に今、何が起きているのか<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ホークスの主砲、柳田悠岐の“低空飛行”が心配だ

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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Hideki Sugiyama

 ホークスの主砲、柳田悠岐の“低空飛行”が心配だ。

交流戦で本塁打0…ギータに何が?

 先頃まで行われた今季交流戦は全18試合にスタメン出場したが、62打数14安打で打率.226、0本塁打、6打点と低調に終わった。自慢のアーチが飛び出さなかったのも寂しいが、長打そのものが二塁打わずか1本のみ。これはもう異常事態だ。

 さらに、5月31日のジャイアンツ戦(東京ドーム)では1試合5三振という不名誉なNPBワーストタイ記録(9イニングでの)に名を刻んでしまった。これも異常事態である。柳田といえばかねてよりヘルメットが吹っ飛ぶほどのフルスイングを持ち味としているが、その割に三振の数はそこまで多くない打者なのだ。昨季までのプロ11年間を振り返っても、出場試合数を三振数が上回った年は一度もなかった。しかし、今季はここまで46試合出場で57三振を喫している。

 超人ギータに一体何が起きているのか……。

 思わず目を疑ったのは本拠地PayPayドームでのタイガース3連戦最終日の9日、試合前練習の光景だった。

迫力満点だった試合前練習…しかし今は

 柳田といえばフルスイングと前述したが、その姿勢は試合の打席だけに限らない。練習から同様である。打者はフリー打撃を行う前に、必ずネットに向かって打ち込むティー打撃から練習をスタートさせる。いわゆるウォーミングアップのようなものだが、その時点から柳田の迫力は並の選手とは桁違いなのだ。

「ガゥァ!」

「ンァッ!」

 字面で表現するのが難しい唸り声を1球、1球上げながらボールを叩き潰しに行く。その直前までニコニコ笑っていても、バットを構えた瞬間からまるで別人になる。その挙動に、誰もが思わず目を向けたくなる。ティー打撃の時点からこんなに魅力を放てる選手など、球界にもそうはいない。柳田はやはりスターなのだと再確認する時間でもある。

 その後のフリー打撃が迫力満点なのは言わずもがなだ。まるでオールスターの本塁打競争のごとく、外野スタンドに向かって特大アーチが何発も描かれる。「あ、アカン」としばしば声が聞こえてくることがあるが、それでも打球はスタンド中段をはるか越えていくなんてことも珍しくない。その打ち方の何が悪いのか、素人目にはまったく判断のつかない次元でバッティングをしているのだ。

 しかし、去る9日に見た柳田は、悲しい意味で別人のようだった。

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