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『BOSJ』3連覇で藤波辰爾から歴史を継承… 高橋ヒロムが語った“ジュニアの矜持”「オレはオレのやり方でライガーさんを超える」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/06/08 11:03
エル・デスペラードとの30分超の熱戦を制し、史上初の3連覇&史上最多4度目の『BOSJ』優勝を果たした高橋ヒロム。藤波辰爾からトロフィーを手渡される
「これだけ長い歴史のある『BEST OF THE SUPER Jr.』。29回、来年は30回、その中で3連覇っていう人間はいない。そして4度目の優勝という男もいない。そういう歴史を作れたっていうのは一つ、オレも改めて結果を出せたのかなって、素直に思います。1年半なんですよね、オレがこの3連覇を成し遂げた期間。デスペラードと日本武道館でやった時は2020年12月。そして2021年の12月はYOHと。そこから半年しか経ってない。1年半で3回ですよ」
コロナ禍による変則開催がもたらした結果のため仕方がないのだが、ヒロムには満足できない部分がある。
「この記録が作れた、偉業を成し遂げられたのは嬉しいですけど、歓声のない中での3連覇っていうのは、正直言ってすごく寂しかったですね。もちろん拍手、応援、すごく嬉しいですけどね。まあやっぱり、歓声がある中で優勝したかったなっていうのはありますね」
この日の日本武道館の観客数は3520人。満員の大歓声を浴びての優勝をヒロムは願っている。
「ライガーさんを超えたことにはならないっすから」
ヒロムは6月21日の後楽園ホールでIWGPジュニアヘビー級王者の石森太二に挑戦する。現在、ヒロム、石森、デスペラードの3人が新日本プロレスのジュニアヘビー級をけん引している事実は動かない。
「久しぶりに本当に超満員の後楽園ホールを見たいなと思いますね。これはぜひ超満員になってほしい。ぜひ来てほしい。ぜひ会場に来て」
ヒロムはファンにそう訴えた。そして、もう一人の伝説化した存在にも触れた。
「IWGPを何度取ろうが、何度スーパージュニアに優勝しようが、ライガーさんを超えたことにはならないっすからね。違った方面からオレは超えたいなって思ってるんで。ライガーさんがやってきたことを超えることはできないわけですよ。記録ではないですよ」
ヒロムは自身の派手なコスチュームにも言及した。
「オレがなんであのコスチュームを着ているかと言うと……。(たとえば)東京ドームで試合をしました。一番前にいるお客さんだけに伝えたい訳じゃない。テレビの前にいるお客さんももちろんそうですし、やっぱり『初めて会場に来ました。一番安い席を買いました。一番後ろの席でした』という人の印象に残るじゃないですか」