MLBでは100マイルの剛速球を投げる先発投手は、巨額の契約を結ぶことができる。球団はそんな投手が故障で戦線離脱し「不良資産化」するのは避けたいから、厳格に投球数、投球間隔を管理する。

　佐々木朗希など日本の投手も、投球数、投球間隔を管理されて投げつつある。その結果として4月17日の日本ハム戦のように8回パーフェクトで降板するという、以前なら考えられないケースも起こりうる。

　1試合の大記録より長期的な活躍。「完投」「完封」よりも「QS（6回以上投げて自責点3以下）」「HQS（7回以上で自責点2以下）」、「奪三振数」よりも「奪三振率」「K/BB（奪三振数÷与四球数）」と価値観が変わっている。

　ダルビッシュ有や大谷翔平がそうだったように――佐々木朗希がトミー・ジョン手術を受ける可能性はなきにしもあらずだが、5年後、10年後も彼の雄姿を見たいと思う。

©Hideki Sugiyama

セ・リーグの2年連続勝ち越しが見えてきた

＜NPB第11週の成績 2022年5月30日～6月5日＞

　交流戦期間は、相手リーグとの対戦成績となる。

〇セ・リーグ
ヤクルト6試5勝1敗0分 率.833
阪 神6試5勝1敗0分 率.833
中 日6試4勝2敗0分 率.667
DeNA6試3勝3敗0分 率.500
巨 人6試3勝3敗0分 率.500
広 島6試2勝4敗0分 率.333

　リーグ対戦成績はセの22勝14敗、セが圧倒した。通算でもセの39勝33敗。セは2年連続の勝ち越しまであと16勝だ。阪神は5連勝中。

・個人打撃成績10傑 ※RCは安打、本塁打、盗塁、三振、四死球など打撃の総合指標
大山悠輔（神）20打9安5本10点 率.450 RC10.01
ウォーカー（巨）25打10安4本6点1盗 率.400 RC8.78
丸佳浩（巨）23打9安3本4点 率.391 RC6.99
牧秀悟（De）23打9安2本9点1盗 率.391 RC6.47
塩見泰隆（ヤ）22打7安1点4盗 率.318 RC5.40
蝦名達夫（De）15打8安1本2点1盗 率.533 RC5.30
ビシエド（中）22打8安1本3点 率.364 RC4.76
村上宗隆（ヤ）14打4安1本2点 率.286 RC4.73
山田哲人（ヤ）21打4安3本3点 率.190 RC4.65
阿部寿樹（中）21打7安1本3点 率.333 RC4.19

阪神の大山は6月3日の日本ハム戦で3本塁打を放ち、この週5本塁打。さらに10打点もトップ。巨人のウォーカーは4本塁打で、6試合連続安打と好調をキープしている。同じく丸は5月12日に1番に座ってから打率.350、5本塁打と大暴れ。盗塁はヤクルト塩見の4が最多だった。

・個人投手成績10傑 ※PRはリーグ防御率に基づく総合指標

小川泰弘（ヤ）1登1勝8回 責0率0.00PR2.37
青柳晃洋（神）1登1勝8回 責0率0.00PR2.37
菅野智之（巨）1登1勝8回 責0率0.00PR2.37
床田寛樹（広）1登1勝8回 責0率0.00PR2.37
サイスニード（ヤ）1登1勝7回 責0率0.00PR2.07
戸郷翔征（巨）1登1勝7回 責0率0.00PR2.07
小笠原慎之介（中）1登1勝7回 責0率0.00PR2.07
アンドリース（巨）1登6回 責0率0.00PR1.78
今永昇太（De）1登1勝6回 責0率0.00PR1.78
松葉貴大（中）1登1勝5回 責0率0.00PR1.48
大貫晋一（De）1登1勝5回 責0率0.00PR1.48

　ヤクルト小川、阪神・青柳、巨人・菅野、広島・床田が8回零封で勝利した。特に小川は6月3日の西武戦で決勝本塁打を放ち、投打両面で大活躍した。救援投手はヤクルトのマクガフが4セーブ、中日ロドリゲスが4ホールドを挙げている。

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