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大谷翔平「去年に比べてボールが…」“飛ばないボール”が影響する選手、しない選手は何が違う? 小早川毅彦がポイント解説
posted2022/06/04 11:05
text by
小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph by
Getty Images
エンゼルスの大谷翔平は2日(日本時間3日)、ヤンキース戦(ダブルヘッダー1試合目)終了時点で、打者として今シーズン50試合に出場。11本塁打は、昨季の50試合終了時(15本)より4本少なく、アメリカンリーグの本塁打争いでは5位タイと差をつけられている。今シーズンから変わったと言われている“飛ばないボール”の影響はあるのか? その対策は? NHK解説者・小早川毅彦氏に聞いた。
個人的な印象として、打者のなかでも特に大谷選手に関してボールの影響が大きいのかな、と感じています。
例えば5月31日(日本時間6月1日)のヤンキース戦では、第1打席で大きな当たりがありましたが、中堅手のアーロン・ジャッジがジャンピングキャッチ。相手のファインプレーではありますが、あれも昨シーズンなら確実に入っていたような当たりでした。5月28日(同29日)ブルージェイズ戦の第3打席でも、昨季までフェンスを超えていたような一発がセンターフライになっています。
打ち終わった直後“これは行ったな”という感じで二、三歩、一塁方向へ歩きだしてから、あれ? と戸惑う仕草を見せることもありました、大谷選手本人もメディアに「個人的には去年に比べてボールが飛ばないと感じている」とコメントしているので、多少なりとも違和感を感じているのでしょう。
そもそも「飛ばないボール」とは?
今シーズンのMLB公式球は、縫い目の山が若干高くなっていると言われています。ピッチャーにとっては指のかかりが良くなって扱いやすいはずですが、打者にとっては空気抵抗が増えて飛距離が出にくくなってしまう。加えて今季は、ボールの湿度を一定に保ち保管することが全球場で徹底されていることも影響を与えているようです。実際にMLB全体でも昨シーズンに比べてホームラン数が減っているというデータもあるのですが、かといって、打者が全員同じように影響を受けているかというと、そうではないのが面白いところです。