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「大食いはスポーツに近い?」「やっぱり男性有利?」“大食い女王”魔女菅原(58)に聞いてみた「女性選手への偏見をギャル曽根さんが変えた」
text by
音部美穂Miho Otobe
photograph by本人提供
posted2022/06/03 11:01
現在はYouTubeチャンネルで大食い企画なども行っている菅原さん。競技大食いについて、いろいろ聞いてみた
初参戦した『元祖!大食い王決定戦』では涙を飲んだが、翌年の大会で、菅原は3連覇のかかったギャル曽根を破り、優勝。以降は菅原自身が3連覇を成し遂げ、殿堂入りを果たした。
その大食い力は年を重ねても衰えることを知らない。昨年には、『最強大食い女王決定戦』でレジェンドの名に恥じない豪快な食べっぷりを見せ、新世代のフードファイターらを撃破。史上初となる4回目の女王の座に輝いている。
素人と大食い選手の“大きな違い”とは?
大食い大会で優勝するまでには、過酷な道のりがある。いくらフードファイターといっても、なんの準備もなく大会に挑めば、あっけなく敗退するのが必至。良い成績を残すには、入念な準備が欠かせない。
「最近では、突然出場のオファーが来ることが多いんですが、理想をいえば、大会まで3カ月くらい準備期間が欲しいんです。
具体的にやるべきことが『胃を大きくすること』。胃袋を大きくすれば食欲は増える。これは大食い仲間のあいだでも共通の認識で、みんな『容量を大きくする』って言い方をしています。ただ、やみくもにいっぱい食べればいいというものでもなくて、『今日はいっぱい食べたから胃が大きくなった』というのは、初心者にありがちな勘違い。
私も、大食い大会に出始めたころは、勘違いをしていました。
たとえば、お米を1合炊くと、何グラムになるか知ってますか? だいたい320~340グラムです。でも、私は最初、何も考えないで、4合炊きの炊飯器で炊いたご飯をなぜか10キロあると思っていて。量っていないのに、直感でそう思い込んでいたんです。
だから、大食いの番組に出た時に、自信満々で『私はご飯10キロ食べられます!』なんて言っていたんだけど、本当は1.5キロにも満たない(笑)。今思うと、本当にバカですよね。でも、大食いの素人ってそんな感じなんですよ」
「増えた体重を目安にして、食べた分量を量るんです」
自分の勘違いに気づいた菅原は、数字を計算しながら食べることを意識するようになったという。
「ご飯一合なら330グラム、肉ならパックに重さが書いてあるし、大きめの玉ねぎなら300グラムとか。私は料理も計算も好きなので、最初は苦にならなかったんですよ。この食材を全部使って作ったから6キロのチャーハンになってるな、とか。